人を雇うときに必要な手続きとは?

2021/03/31更新

この記事の執筆者柳原つつじ

事業を立ち上げて、事業が軌道に乗ってくると、従業員の雇用を検討する時期がやってきます。一人ですべての業務をカバーするのは、どうしても限界が出てきます。また、従業員の力を借りることなしに、売上げを大きく伸ばすことは難しいでしょう。人を雇用するには、どんな手続きが必要なのでしょうか。まとめてみたいと思います。

POINT

  • 給与支払事務所になったことを税務署に届出する
  • 労災保険や雇用保険などに関する手続きを行う
  • 従業員には労働条件を書面にして交付する

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給与支払事務所になったことを届け出る

従業員を雇う場合、税務署に「給与支払事務所等の開設届出書」を提出しなければなりません。従業員を雇ってから1カ月以内に下記の書類を提出しましょう。

参考
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書:国税庁新規タブで開く

この届出によって、事業主は従業員に給与を支払う際に、「源泉徴収義務者」となり、給与から所得税などを源泉徴収して、 翌月10日までに納付書を添えて税務署に納税することになります。

毎月支払いというだけで、すでに個人事業主にとっては大きな事務負担になりますよね。そこで、従業員が10人未満の場合には「源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することで、年2回(7月10日と翌1月20日)、まとめて納付することができます。

参考
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書:国税庁新規タブで開く

労働基準監督署やハローワークに届出も

労災保険に関する手続も行わなければなりません。

雇用してから10日以内に「労働保険 保険関係成立届」を労働基準監督署に提出します。さらに、50日以内に「労働保険概算保険料申告書」を労働基準監督署か、所轄の都道府県労働局、もしくは金融機関などに提出します。

そして、雇用保険についても手続きが必要です。「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」を、所轄の公共職業安定所に提出することになります。

そのほかに社会保険の手続きなどもあります。人を雇用するときは、人的なコストだけではなく、それに付随する手続きへの労力も考えておかねばなりません。

求人広告はハローワークに出そう!

上記のような事務作業を想定しながらも、やはり確実に人を雇いたい場合、求人広告を出すことになります。新聞や求人サイトなど、広告を出す媒体を検討することになりますが、コストがかからないのが、ハローワークです。

流れとしては、事業所の所在地を管轄するハローワークに足を運び、「事業所登録シート」を記入します。事業所登録が済めば、求人申込書に求人の条件や勤務地などを記入します。求人の申込が問題なく受理されれば、「求人票」(初回の場合は「事業所確認票」も)を受け取ることができます。

求人広告を通じて、無事に採用が決まれば、労働条件を明確にした書面を本人に渡さなければなりません。具体的には、始業や終業の時刻、労働時間、休憩時間、休日、休暇、賃金などについてです。

労働条件通知書は、2部作成し、本人の記名押印を受けたうえで、事業所と本人が1部ずつ保管すること。あとでトラブルにならないように、実態に即した内容を記載しましょう。

参考
労働条件通知書(サンプル):厚生労働省新規タブで開く

「なかなか経営者が従業員を増やしてくれなかった」

サラリーマン時代にそんな経験がある人は、その理由の一端がおわかりいただいたのではないでしょうか。人をひとり雇用するだけで、人件費が増えるのはもちろんですが、事務作業も煩雑になり、継続的に行う書類作業も増えることになるのです。

雇用して「こんなはずでは……」と後悔するのが、お互いにとってもっとも無駄なことです。慎重に検討を重ねて、雇用の輪を広げていきましょう。

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者柳原つつじ

出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。

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