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パート・アルバイトを雇った場合の社会保険と労働保険について

サラリーマンから脱サラして起業すると、一人ですべての業務を行うのがいかに大変かを実感します。正社員を雇えればよいですが、なかなかそんな余裕はないというのが現実。そこで、パートやアルバイトの力を借りて、効率的に業務を行っていこうと考える方は少なくないでしょう。パートやアルバイトを雇った場合の社会保険と労働保険について解説します。

お知らせ

2022年(令和4年)分の所得税の確定申告の申告期間は、2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)です。最新版の確定申告の変更点は「2023年(2022年分)確定申告の変更点! 個人事業主と副業で注目すべきポイントとは?」を参考にしてみてください!

POINT
  • 社会保険の加入対象が平成28年10月1日から拡大
  • 社会保険に加入するには、被保険者資格取得届を年金事務所に提出する
  • 雇用保険に加入するには、雇用保険被保険者資格取得届をハローワークに提出する

健康保険や厚生年金保険の加入対象は?

厚生年金保険や健康保険を「社会保険」と呼びます。広い意味では「雇用保険」と「労災保険」も社会保険に含みますが、今回は、社会保険(厚生年金、健康保険)と労働保険(雇用保険、労災保険)に分けて説明したいと思います。

雇用側が法人の場合、社会保険に加入の義務があります。個人事業主の場合でも、常時5人以上の従業員を雇えば、同じく社会保険に加入の義務があります。ただし、パートタイムやアルバイトの場合は、労働時間によって加入義務があるかどうかが変わってきます。そのパートタイムやアルバイトにおける、社会保険の加入対象が広がりました。平成28年10月1日からですから、知らない方も多いかもしれません。
【参考】
平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大):厚生労働省

まず、所定労働時間について、これまでは一般的に週30時間以上ある場合に、社会保険の加入対象となっていました。しかし、平成28年10月1日からは、週30時間以上なくても、下記の条件をすべて満たした場合に、社会保険の加入対象に含まれることになりました。

①週の所定労働時間が20時間以上
②雇用期間が1年以上(まだ1年経過していなくても1年以上勤務することが見込まれる人を含む)
③月額賃金が8万8,000円以上(年収106万円以上)
④学生は適用除外
⑤一定規模(501人)以上の企業(平成31年9月30日までの時限措置)

「短時間労働者への社会保険の適用を拡大する」というのが、今回の変更の目的です。社会保険の加入対象は、従来は一般的に「週30時間以上働く人でしたが、改正により「従業員501人以上の企業で、週20時間以上働く人」もその他の要件を満たせば対象となるのです。将来的にはこの方向性がもっと拡充していくことも予想されますので、これからパートやアルバイトを雇う際には、企業規模に関係なく、要件に該当するかどうかをいつも意識しておいたほうがいいかもしれません。

社会保険の加入手続き

パートやアルバイトを雇い、社会保険の加入義務がある場合は「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を管轄の年金事務所に提出します。

期限は従業員が入社してから5日以内です。もし、従業員が年金受給者でも、加入要件を満たしていれば、提出しなければなりません。注意しましょう。

雇用保険の加入要件と手続き

次に、労働保険(雇用保険、労災保険)についてです。まず、雇用保険については、下記の要件をいずれも満たす場合、パートやアルバイトであっても加入しなければなりません。

①31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること
②1週間の所定労働時間が20時間以上であること

もし、雇用期間の定めがない場合は①に該当します。また、当初は31日以上雇用されることが見込まれない場合でも、それが見込まれるようになった時点で、雇用保険が適用されることなります。

雇用する従業員が該当する場合は、管轄のハローワークに翌月10日までに雇用保険被保険者資格取得届を提出しましょう。
【参考】
雇用保険被保険者資格取得届:厚生労働省

労災保険の加入要件と手続き

労災保険は、もし、業務上の事由、または、通勤によって負傷したり、病気になったりした場合、もしくは、障害者になったり、あるいは死亡した場合などに、必要な保険給付が行われるという保険です。

労災保険については、雇用形態にかかわらず、すべての従業員が加入します。また、雇用した際に必要な手続きはありませんので、年に1度、年間の保険料を計算して、納付しましょう。

以上、パート・アルバイトを雇った場合の社会保険と労働保険について解説しました。従業員を新たに採用する際に、安心して働いてもらえるように、発生する可能性の高い事務手続きとして、把握しておきましょう。

photo:Thinkstock / Getty Images

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