【中小企業】資金繰りに困ったときに相談できる公共機関の窓口まとめ

中小企業を経営していて、もっとも多い悩みのひとつが「資金繰り」についてではないでしょうか。資金は事業の元手であり、経営のために使われます。もし、収入より支払いが多くなってしまったり、収入より支払いが先に来てしまったりして資金繰りが悪化すれば、たとえ黒字でも倒産してしまいます。資金繰りに困ったときのための、公共機関の窓口をまとめました。
[おすすめ]法人の会計業務をかんたんに!無料で使える「弥生会計 オンライン」
目次
- POINT
-
- 黒字でも資金繰りが苦しくなることはある
- 商工会議所では、資金繰りについて専門家のアドバイスが受けられる
- 融資の相談ならば、日本政策金融公庫や信用保証協会などにも窓口がある
黒字でも資金繰りは苦しくなる!?
資金とは、具体的には、現金・普通預金・当座預金・郵便貯金・定期預金などのことです。事業を行っていると、どうしても「いかに売り上げを伸ばすか」という点に意識がいきがちです。しかし、たとえ黒字で利益が出ていても、資金繰りが悪くなれば、最終的には倒産にまで至ってしまいます。
売り上げが急増して、仕入れを増やした結果、支払いが多くなり、資金が回らなくなるというケースなどがそのひとつの例です。支払期日までに資金を調達できないと、取引相手への支払いができなくなってしまい、社会的な信用も失うことになります。利益が出たうえで、資金がうまく回って初めて、正常に経営を行うことができるのです。
そのほか、在庫の増加、過大な設備投資、無計画な借入など、資金繰りの悪化を引き起こす要因はさまざま。資金繰りが苦しくなってきたならば、現金の出入りをしっかり把握して、経営悪化の原因を突き止めたうえで、対策を練ることが必要になります。
市区町村や県庁に担当部署がある
資金繰りに困ったときに、経営者が一人で対策を考えても、なかなかうまくいかないでしょう。これまでとは違う視点で経営を見直さなければ、同じことの繰り返しにもなりかねません。そこで活用したいのが、資金繰りについて無料で相談できる公共機関の窓口です。
市区町村などの自治体には、自治体のなかでの産業の振興や、雇用の創出に関わる部署が設置されています。自分が住む自治体のホームページで、担当部署を確認してみましょう。
同じように、県庁にも産業振興や雇用を促進するための部署があり、資金繰りについて相談に乗ってくれます。資金繰りを改善したければ、市区町村や県の機関に行き、相談窓口を通じて、融資制度などを紹介してもらうことから始めるのもひとつの手です。
専門家によるアドバイスを受けたいならば……
ただし、市区町村や県庁では、融資制度に詳しい職員が対応してくれるものの、公認会計士など専門家によるアドバイスを受けることは難しいです。
専門家によるアドバイスがほしいならば、自治体の外郭団体として、中小企業を専門に支援する機関があるので、そちらに足を運んだほうがよいでしょう。日替わりで中小企業診断士・税理士・弁護士・司法書士・弁理士などが相談に乗ってくれるなど、無料で専門家のアドバイスを受けられるので心強いです。
また、全国514カ所にある商工会議所に相談することもできます。窓口での対応だけではなく、経営指導員が店舗や会社を訪問して、相談をうけてくれるところもあります。例えば、東京商工会議所の場合は、資金調達や販路開拓など、中小企業・個人事業主の経営に関する課題解決のための無料相談会が、23区で開催されています。
融資を受けたいならば……
資金が足りず、融資を受けたい場合は、政府系金融機関である日本政策金融公庫に相談してみるという手もあります。
日本政策金融公庫は、全国に150以上の支店があり、窓口や電話で融資の相談を受けつけています。他の金融機関に比べて金利が安く、審査も通りやすい日本政策金融公庫での融資を考えているならば、その窓口で資金について相談するのが、効率的かもしれませんね。
ただし、日本政策金融公庫で融資を受けるには、多くの場合、保証人が必要になります。中小企業に担保や保証人になってくれる第三者がいないならば、信用保証協会の相談窓口に行ってみてはいかがでしょうか。
信用保証協会は、中小企業の保証人になってくれる、法律に基づいた公的機関です。最寄りの信用保証協会で資金繰りについて相談してみると、問題解決の糸口が見えてくるかもしれませんよ。
以上、資金繰りに困ったときに、相談に乗ってもらえる公共機関の窓口を紹介しました。ひとりで抱え込まずに、多角的な視点で経営を見直す意味でも、活用を検討してみてください。
photo:Thinkstock / Getty Images