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5分でわかる! 定款変更の手順

株式会社の設立に際して作成・認証手続きをした定款。もしも、その記載事項に変更があった場合は、定款変更の手続きをしなければいけません。定款変更自体は、株主総会の決議によって行えるものですが、場合により、法務省への登記変更が必要になることも……。今回は、定款の「変更」の手順を紹介していきたいと思います。

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POINT
  • 定款変更には株主総会による「特別決議」を要する
  • 場合により、登記申請手続きが必要になることも
  • 決議の議事録・原始定款をセットで保管しよう

変更は「3分の2の賛成」が必要な特別決議で

定款は、会社の事業目的、商号(会社名)、本店所在地、さらには、発行可能株式総数などが記載された”会社の憲法”に例えられるものです。設立の際に記載した絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項のどの記載事項に変更が生じても、定款変更の手続きを行わなければいけません。

もしも定款の記載事項に変更が生じたら、「株主総会決議」をしなくてはいけません。

そもそも株主総会の決議には、主に「普通決議」と「特別決議」があり、定款変更ではこのうち「特別決議」の決議要件が条件になります。普通決議、特別決議ともに「議決権の過半数を有する株主が出席すること」(これを「定足数」といいます)までは同じですが、それぞれに以下の「決議要件」が加わります。

  • 普通決議の決議要件 出席議決権の過半数の賛成
  • 特別決議の決議要件 出席議決権の3分の2以上の賛成

特別決議の場合は、普通決議よりもハードルの高い決議が必要ということです。「議決権」とは、決議にて株主が票を入れる権利のこと。通常、株主は1株につき1つの議決権を保有しますから、株主の持ち株数によって1人あたりの議決権の数が異なります(単元株制度の場合は、1単元につき1つの議決権)。

なお「特例有限会社」の場合、特別決議の決議要件はより厳格化され、「出席議決権の4分の3以上の賛成」が必要です。出資者全員が社員となる「合同会社」の場合は、社員総会による決議となり、決議要件も「総社員の同意」となります。

設立時に作成した自社の定款により、定足数や決議要件をその会社ごとに定めているケースもあり得ます。その場合は定款にある「定足数」「決議要件」に従うことになりますので注意してください。

登記変更に伴う申請書と添付書類

さて、定款変更は、これら「決議がなされた時点」で効力を生じるものです。一方で、会社の登記事項におよぶ定款変更が生じた場合は、本店所在地を管轄する法務局での「変更登記手続き」が欠かせません。

法務局での変更登記手続きが伴う主な事項
・本店移転
・商号変更
・事業目的(内容)の変更
・発行可能株式総数の増減、その他株式に関すること
・公示方法の変更
・支店の設置・移転・廃止
・取締役会・監査役の設置・廃止……等

登記変更の際には「登録免許税」を納付します。なかでも特に多い、商号変更、事業目的の変更、本店移転(管轄登記所内)、発行可能株式総数の変更等は、1件につき3万円(管轄外への本店移転は6万円)。登記の種類によって定率もしくは定額にて税額が定められていますので、国税庁HP(国税庁:登録免許税の税額表)から確認するか、国税庁へ直接問い合わせてみてください。

登記変更に必要な各種申請書の様式・提出方法等は、法務省HP(法務省:商業・法人登記申請)に詳述されています。申請書には、本店所在地、商号、代表取締役の住所・氏名(代理人申請の場合は代理人の住所・氏名)を記載・押印。登録免許税分の収入印紙を貼り付け、議事録(後述)、登記申請を委任する場合は委任状を添付して提出します。

特別決議の議事録を作成しよう

登記変更の際に必要なのが、特別決議の「議事録」です。そもそも定款変更は、決議されたことを書面上に記録して残しておくことが必要なものなので、特別決議の「議事録」は必ず作成しなければいけないものです。今後は「変更前の定款+議事録」が「自社の定款」となります。

〈議事録の記載事項〉
  • 株主総会の日時(年月日)/場所
  • 議決権のある株主の総数/議決権の総数
  • 出席した株主の人数/出席議決権の数
  • 役員の肩書き・氏名
  • 議案と、決議の経過・結果
  • 閉会の宣言
  • 議長および議事録作成者の署名 等

では、万が一、議事録を紛失してしまった場合は、どうすればいいのでしょうか。

そんなときは、変更内容を反映させた「新たな定款」を作成し直し、再び株主総会の特別決議を受ける必要があります。再作成に際して変更事項を覚えていない場合は、法務局で「履歴事項全部証明書」を入手してください。
ここには基準日(請求日から3年前の日の属する年の1月1日)以後に抹消された登記事項が記載されています。ここに記載されない登記事項は閉鎖された状態にあるので、これより過去の登記事項を知りたい場合は、閉鎖事項全部証明書が必要になります。

そもそも株主総会や取締役会の議事録は、会社法で「作成」と「10年間の保管」が義務付けられる大切な書面です。絶対に紛失しないよう心がけましょう。

photo:Thinkstock / Getty Images

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