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自動車にかかる経費の計上方法

2021/03/31更新

この記事の執筆者安田博勇

読者の皆さんのなかには、事業用に自動車を購入する方も多いと思います。自動車は車両本体のみならず、購入時に税金・保険・各種手続き費用等の経費がかかり、維持管理するうえでもガソリン代や駐車場代などの支出が発生します。また車両本体は「固定資産」となりますので、減価償却の対象となります。今回は、自動車を購入し管理していくうえでの「経費計上」について解説してみたいと思います。

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POINT

  • 購入車両の法定耐用年数を確認しよう
  • 中古車は4年落ちだと節税できる
  • 勘定科目と家事按分はどうする?

普通自動車の耐用年数は6年

自動車にかかる経費を計上するうえで、まず知っておかなければいけないのは「減価償却」です。事業用に購入した車両本体(オプション・付属品含む)は「固定資産」ですので、減価償却の対象となり、毎年、償却額に相当する分を経費として計上します。

減価償却の年数・償却費を算出するにはまず、車両の用途・種別によって定められる「法定耐用年数」をチェックします。普通自動車は「6年」、軽自動車は「4年」、二輪車または三輪車は「3年」、自転車は「2年」……などです。この場合の軽自動車は「小型車」であり「総排気量が0.66リットル以下のもの」が対象となります。

個人事業の場合は通常、償却額が毎年同じになる「定額法」で償却していきます。仮に120万円の新車を購入したとすると、償却額は普通自動車の場合で「120万÷6年=20万」、軽自動車は「120万÷4年=30万円」。

これらの年数が経過した時点で償却残高が(帳簿上の資産価値として)「1円」となり、ほぼすべてを償却することとなるのです。

一方で、主に法人が対象となる「定率法」では初年度に費用の金額がもっとも大きくなり、2年目以降は次第に少額になっていく償却方法。「未償却残高(取得価額-償却累計額)×償却率」で計算されます。通常、個人事業主は定額法、法人は定率法で償却しますが、事前に申請をすれば償却方法の変更も可能です。

参考:定額法と定率法による減価償却(国税庁ホームページ)新規タブで開く

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「4年落ち」の中古車が選ばれる理由

中古自動車を購入する場合、耐用年数の算出方法が異なります。

法定耐用年数−経過した年数+経過年数×20%

では「普通自動車」(法定耐用年数6年)の中古車を購入した場合の耐用年数を比較してみましょう。なお、端数は切り捨てとなります。

  • 1年落ち 6年−1年 + 1年×20% =5.2年 →耐用年数5年
  • 2年落ち 6年−2年 + 2年×20% =4.4年 →耐用年数4年
  • 3年落ち 6年−3年 + 3年×20% =3.6年 →耐用年数3年
  • 4年落ち 6年−4年 + 4年×20% =2.8年 →耐用年数2年
  • 5年落ち 6年−5年 + 5年×20% =2年 →耐用年数2年

なお、法定耐用年数を経過している中古車は「法定耐用年数(6年)×20%」で算出されますが、この値が「2年未満の場合は『耐用年数2年』となる」と決まっているため、6年を経過した中古の普通自動車の耐用年数は、すべて「2年」です。このため、1年の償却額が大きく、かつ、できるだけ古くない事業用車両を購入できるという点で、「4年落ち」の中古車を選ぶ人も多いようです。

なお、一括購入ではなくローン購入した場合も、減価償却の方法は同じです。また期中取得(例えば12月末決算で7月頭に取得)の場合は、月割り(減価償却額÷12×使用した月数)の必要がありますのでご注意を。

車両にかかる各種経費の勘定科目

車両本体の購入と納車費用は取得価格として計上しますが、では、車両の取得以外にかかった経費はどう計上すればいいのでしょうか?

まず、車両購入時には「リサイクル料」(リサイクル預託金)がかかります。これは、廃棄処分となった時点で発生する費用のこと。主に、シュレッダーダスト料金、エアバッグ類料金、フロン類料金で構成されます。これらは自動車を廃棄するときに発生する「預託金」のため、帳簿上では車両本体・車両費等とは別に「預託金」として資産計上することとなります。厳密には「資金管理料金」が含まれており、こちらは「雑費」として経費計上します。

その他経費の勘定科目の分類は以下のとおり。よく使用する科目もしくは多額になる科目については、新規に勘定科目を追加しながら記帳すると、後々理解・説明がしやすいかもしれませんね。

租税公課 自動車税、自動車取得税、自動車重量税、印紙代
損害保険料 自賠責保険、任意保険
車両(経)費 検査登録・車庫証明手続代行、修繕費、車検費、洗車代、ガソリン代
地代家賃 駐車場代

なお、軽油を給油した場合は仕訳のやり方が異なります。以下の記事を参考にしてください。

参考:車両費?それとも旅費交通費?ガソリン代の勘定科目は何か?新規タブで開く

家事按分するときの注意点

個人事業主の方は、事業用以外に自家用車両として使用することがあるかもしれません。その場合は家事按分の必要があります。

車の家事按分は、走行距離数を記録し、「事業で使った分」と「プライベートで使った分」の比率で算出するのが一般的です。しかし毎度の走行距離がほぼ一定であれば(例えば、仕事で使うときのみ極端に遠出をしている、というような使い方でなければ)、「平日は仕事として、土日はプライベートで」といったように「週に何日使用している」といった割合で按分してもよいでしょう。

いずれにせよ、もしも税務署などから質問されたときに「按分比率の根拠」をきちんとした説明ができるかどうか、が大切です。

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者安田博勇

1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。

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