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個人事業主の基礎知識:税金の種類

個人事業主として活動を行うにあたっては、計画していた事業を進めて利益を上げることが大切なのはもちろんですが、税金について理解を深めて、きちんと支払うことも同じくらい重要です。個人事業主が納める主な税金は「住民税」「消費税」「所得税」「個人事業税」の4つ。それぞれの計算方法や納付期限、控除額、税金対策などのポイントを解説します。

POINT
  • 「所得税」と「住民税」は所得に応じて納める
  • 課税事業者は「消費税」も納付する
  • 「事業税」は業種で税率が異なる

支払う税金①:住民税

会社員ならば、毎月の給料から天引きされる「住民税」。個人事業主になると、自分で納付しなければなりません。住民税は「市県民税」などとも呼ばれますが、所得税の確定申告をすることで税額が算出され、市区町村から納税通知書が来ます。
通知された都道府県民税と市区町村民税の合計額を、各市区町村へ納付します。

住民税は下記の計算式で算出されます。


住民税 = 課税所得 × 税率 - 税額控除 + 均等割 

住民税を算出する上で、控除の対象になるものとしては、「雑損控除」「医療費控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「配偶者控除」「配偶者特別控除」「基礎控除(33万円)」などがあります。

また、納付期限については、一括で支払うか、4期分割で支払うかの方法があり、第1期が6月末まで、第2期が8月末まで、第3期が10月末まで、第4期が翌年1月末までです。

気をつけてほしいのが、前年の課税所得を基にして計算するということ。所得が増えたからといって投資や消費に走ると翌年、住民税を支払うのが苦しくなります。住民税の支払いを考慮して、たとえ所得が大きく増えても、支出しすぎないようにしましょう。

支払う税金②:消費税

「消費税」は説明するまでもありませんが、商品を買ったり、サービスを受けたりするときに支払うものです。ただし、それは消費者としての立場です。事業主としての立場からすれば、消費者から預かった消費税を、税務署に納付しなければなりません。

難しいのが、消費税を納める課税事業者は、自身が消費税を支払う立場でもあります。つまり、仕入れで材料を購入する場合などは消費税を支払う立場で、顧客に商品を売る場合は、消費税を受け取る立場になるということです。

一方では消費税を支払い、また、一方では消費税を受け取るため、下記のような算式で納付額を求めます。


納付税額=(売上げにかかる消費税)-(仕入れにかかる消費税)

計算が煩雑になるため、「簡易課税制度」も認められています。詳細は過去記事をご参照ください。

課税事業者になった個人事業主の消費税はどう記帳すればいい?

納付期限については、個人事業者の場合は、毎年3月末までに消費税の確定申告と納税を行います。
なお、課税売上高が1,000万円以下の個人事業主と法人は、消費税の支払いが免除されています。このことを「小規模事業者の納税義務の免除」と呼びます。

支払う税金③:所得税

「所得税」は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた「所得」に対して課せられる税金です。ただし、ひと口で所得といっても、多岐に渡ります。

所得税法上は「利子所得」「配当所得」「不動産所得」「事業所得」「給与所得」「退職所得」「山林所得」「譲渡所得」「一時所得」「雑所得」と10種類に分類されます。

そのうち、個人事業主に主にかかわるのが「事業所得」です。計算は下記のように行います。


事業所得 = 総収入金額 - 必要経費

自分で1年間の所得金額を計算して、翌年の2月16日から3月15日までの間に税務署に確定申告と納税をします。また、「所得金額」から控除されるお金もありますので、以下の国税庁のホームページをご参照ください。
【参考】国税庁:所得金額から差し引かれる金額(所得控除)

支払う税金④個人事業税

「個人事業税」は、個人が事業を行っていることに対して課される地方税です。

ただし、事業税が課税されるのは、法律で定められた70の業種のみ。その70の業種がさらに3つに分けられてそれぞれの税率が決められています。

【参考】東京都主税局 法定業種と税率

個人事業税については、所得税のように自ら税額の計算を行う必要はなく、確定申告を行えば、行政から納税額の通知書が送られて来ることになります。その通知書にしたがって、金融機関などで納付します。

個人事業税は下記の計算式で算出されます。


個人事業税=(収入 - 必要経費 - 専業者給与等 - 290万円)×税率

個人事業税は、所得税のように青色申告特別控除の適用が受けられませんが、事業主控除として一律290万円を差し引くことができます。納付期限は8月と11月の年2回。通知書が来た場合は、すみやかに支払うようにしましょう。

以上、個人事業主が支払うべき税金について、まとめてみました。多忙な業務のなかで見落としがないか、いま一度チェックしてみてくださいね。

photo:Thinkstock / Getty Images

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