【Excelテンプレ付】個人事業主必見!確定申告の帳簿作成のポイント

2024/02/16更新

この記事の執筆者宮原 裕一(税理士)

帳簿をつけるとき、「手書きは大変だけど会計ソフトは難しそう」という理由からエクセルで帳簿を作るケースがあります。この記事内でもエクセルでの帳簿をつけたい方のためのダウンロード用のテンプレートを用意しましたが、このテンプレートを使用するしないに関わらず、ご自身でエクセルのワークシートを作成して帳簿をつけるときに気をつけたいことをご紹介します。

確定申告の帳簿付けをエクセルで行う際のPOINT

  • 計算式が複雑になりやすいので注意
  • 簡易形式だと必要な帳簿が増える
  • エクセル帳簿でも紙に印刷して保存すること

確定申告の帳簿付けをエクセルで行う場合のよくあるミス

「『現金出納帳』はお金の出入りを記録するものだから、入金と出金、そして差し引きの残高があれば楽勝じゃないか!」エクセルに慣れた人であれば、そう考えて現金出納帳をサクッと作れてしまうと思います。

しかし、これでは本当にお金の出入りを記録したお小遣い帳。所得(儲け)や経費の計算にはつながっていきません。もし出納帳だけで売上や経費まで集計するのであれば、そのお金の動きが何の項目なのかを区分できるようにして、それを区分ごとに集計できるような計算式や関数を入れて……と、ワークシートはどんどん複雑になっていきます。

ちょっとしたコピペの間違いで計算式を壊してしまい、どのセルがどこを引っ張ってきているのか収拾がつかなくなってしまうこともあるでしょう。

もともとエクセルでシートを作るのが好きな方でしたらよいですが、簡単にできそうだと思ったものの、実際にやってみたら大変だったという声も少なくありません。

  • 区分ごとに集計できるようにしておく
  • コピーペーストで式を壊さないようにする

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確定申告に必要な帳簿

最大65万円の青色申告特別控除を受けるには、事業にかかるすべての取引を記録することが必要です。簿記の知識があって、エクセルで「仕訳帳」や「総勘定元帳」を作ることができれば言うことなしですが、出納帳などを中心に作る場合は全項目を作成できているかどうかに注意が必要です。

掛け取引があれば「売掛帳」や「買掛帳」、経費を項目別に集計するための「経費帳」、事業で使用するもので10万円以上のものを管理する「固定資産台帳」など、事業を行っていくうちに必要なものが増えてくるでしょう。それぞれの様式をそろえるだけでなく、関係する帳簿同士がしっかりとつながっているかも重要なポイントです。

  • 事業に必要なすべての帳簿を作成する
  • 関係する帳簿同士をしっかりとつなげる

確定申告用の帳簿 無料エクセルテンプレート

ある程度簿記の知識があり、エクセルで帳簿をつけてみたい、という方のために、こちらにダウンロード用のエクセルのテンプレートをご用意しました。

ダウンロードはこちら:青色申告用のエクセル帳簿テンプレート

ダウンロードはこちら:白色申告用のエクセル帳簿テンプレート

(注意事項:こちらのテンプレートは、あくまでもサンプルです。各シート毎の帳簿は、連携しておりません。こちらを使用して帳簿をつける場合、自己の責任においてご利用ください)

このテンプレートは、勘定科目や摘要など手入力が必要です。文字を一文字でも間違えると、計算式や自分でピボット集計をしようとしたときに不都合が生じたり、また、簿記の知識がないと計算式の入れ忘れや金額の間違いなどを見つけるのが難しい場合があります。仕訳の左右が同じ金額かどうかも、自己チェックで行うことになります。

確定申告の帳簿付けをエクセルで行う場合の注意点

上記のような問題をクリアして、エクセルで帳簿をつけきった! という場合でも、注意しておきたいことがあります。青色申告者の義務として、帳簿類は7年間保存しておかなければならないというものがあり、帳簿は紙に印刷しておく必要があるということです。エクセルデータのままでは簡単にデータの変更ができてしまうため、通常は認められていません。

なお、電子帳簿保存制度といってデータで保存できる制度もありますが、すべての訂正履歴の記録など、保存のための要件をクリアするのは非常に難しいです。また、最近は領収証などのスキャナ保存の要件が緩和されていますが、残念ながら帳簿のデータ保存は対象外となっています。

参考

まとめ

いかがでしたでしょうか。白色申告の場合でしたら、収入金額(売上)と必要経費さえしっかりと記録できていればエクセルでも帳簿としての体をなしますが、さまざまなメリットのある青色申告では足し引きの計算式が入っていればOKというものではなくなってしまいます。

少なくとも、エクセルで記録をつけられるということですから、パソコンの利用には慣れていらっしゃると思います。この際、集計などで圧倒的に機能が優れている会計ソフトの利用を考えてみるのも良いかもしれませんね。

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者宮原 裕一(税理士)

宮原裕一税理士事務所新規タブで開く」代表税理士。弥生認定インストラクター。
弥生会計を20年使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。経営者のサポートメンバーとして会計事務所を営む一方、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

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