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やっぱり難しい? 手書きで帳簿をつけるときの注意点

個人事業主として開業し、「数字は苦手だから少しは簿記の勉強もしなきゃな」「取引も少ないからわざわざ会計ソフトはいらないかな」などと考えて、帳簿づけを手書きで始めてみる方も多いことかと思います。今回は、手書きで帳簿をつけるときの失敗例・注意点などについて解説いたします。

お知らせ

2022年(令和4年)分の所得税の確定申告の申告期間は、2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)です。最新版の確定申告の変更点は「2023年(2022年分)確定申告の変更点! 個人事業主と副業で注目すべきポイントとは?」を参考にしてみてください!

POINT
  • 思っているより書き入れる項目は多い
  • 「複数の帳簿に書き入れる」ことを忘れてしまう
  • 「貸借対照表」が書けなければ65万円の控除ができない

そもそも手で書くことがツライ……

帳簿をつけ始めて最初につまずくのは、「思っていたよりも書き入れる項目が多かった」ということです。

手書きで帳簿をつけるとき、最低限の項目として「いつ」「何に」「どこで」「いくら」ということを記載しなければなりません。お金の動きを記録する「現金出納帳」を例にとると、その取引によって現金の残りがいくらになったかという足し引きの計算をしなければなりませんし、最終的に青色申告決算書に書き写すため、「何に」に相当する「勘定科目」ごとに拾い上げて集計していかなければなりません。そのために「経費帳」を作成し……と、必要になるものがどんどん増えていきます。どうしても数字の書き間違い、計算間違いが出てしまうので、一気に帳簿をつけようとすると、どこで間違ったかを確かめるのも大変な作業になります。

手書きでの帳簿づけは非常に地道な作業なので、根気強く頑張ってみましょう。

ひとつの取引を2つの帳簿に記帳すること

例えば商品を納めて請求書を発行し、後日入金してもらう「掛け取引」があるとき、売上の時点では「売掛帳」に売上金額を書き入れます。この時点で売上帳や総勘定元帳の「売上高」へ記入していても、その後の入金のときに、よく書き忘れや記入漏れなどの失敗をしてしまうことがおこりがちです。例えば現金で集金した場合、「現金出納帳」に入金額を書き入れただけではダメで、「売掛帳」にも回収金額を書き入れて、現金の残高は増える・売掛金の残高は減るという2つのことを記録しなければなりません。ここで、ついついどちらか一方を書き忘れてしまうという失敗が多々起こりますので注意が必要です。

当然ながら、つけ忘れたものは数字が記載も計算もされないままの状態になるので、場合によっては経費のつけ落ちや売上の計上もれなど、税額に影響が出てしまうこともありますね。

最大65万円の控除はすべての項目を記帳すること

帳簿をつけるというと、「現金出納帳」や「売掛帳」などお金の出入りに関するものを真っ先にイメージすると思います。これらの様式を簡易帳簿といいますが、単に収入金額(売上)や必要経費が集計できただけでは、青色申告特別控除は最大10万円どまりとなってしまいます。最大65万円の青色申告特別控除を受けるには、事業にかかる財産のすべてを記帳し、年末の財産目録ともいえる「貸借対照表」を作成しなければなりません。
現金や預金、売掛金などが年末にいくら残っているかは簡易帳簿でわかりますが、例えば銀行からの借入がいくら残っているか、店舗を借りるのに預けた保証金がいくらだったかなどは、それぞれ個別に帳簿のページを作る必要があるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。手書きで帳簿をつけるということは、ある程度の簿記の知識を身につけられ、また手で書くことによってお金の流れを実感することができるというメリットがあります。

しかしながら、大きなデメリットとして、時間というコストがかかります。また、転記もれ、転記ミスというリスクを負います。帳簿に書き入れた数字を足し引きし、他へ書き写し、間違いがあれば訂正しという作業は、ひとつひとつは数十秒であっても、1年を通すと相当な時間となってしまいます。個人事業主として売上を確保していかなければいけないときに、事務作業に時間を割いてしまうのはもったいないことです。ある程度帳簿づけをしてみてお金の流れがわかってきたら、ひとつの取引を登録すれば、関連帳簿や帳票へ自動転記・自動集計し、これらのデメリットをかんたんに解決できる「やよいの青色申告 オンライン」などのオンライン会計ソフトに移行してみるのもひとつの手ですね。

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photo:Thinkstock / Getty Images

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