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不満・言いづらいことは?ライター、編集者、カメラマンの本音座談会

クリエイティブ系の仕事では、必ずコンテンツを取りまとめる編集者(ディレクター)の存在が不可欠です。そしてその編集者を軸に、ライター、カメラマン、デザイナーといったフリーランスに仕事が振り分けられます。しかし、お互いのことを十分に理解していないまま仕事を続けると、折り合いが悪くなることもしばしば……。今回は編集者、ライター、カメラマンを集め、本音座談会を開催。お互いの本音をぶつけあってもらいました。



編集者A:制作プロダクションに所属する男性編集者。現在はWeb媒体を中心に担当。
ライターB:紙媒体・Web媒体を中心に活躍する女性ライター。
カメラマンC:独立・開業して間もない女性カメラマン。

編集者とクリエイターの本音とは?

――編集者最大の使命といえば、なんといってもクオリティチェックですよね。例えば原稿の内容がいまいちだったら書き直しをお願いすることもあるでしょう。場合によって、編集者自ら手を入れることもあると思いますが、ライターの立場から、編集者の手で原稿を書き直されたとき、どうしていますか?

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ライターB あまりにもぞんざいな直され方――例えば、起承転結のツボがしっかりとおさえられていない、一番主張したかった部分が外されるなど――があれば、正直、腹が立つことはありますね(笑)。

編集者A そういうケースはたいてい、事前のブリーフィング不足が起因していると思います。「こういう原稿にまとめてほしい」というのをライターに伝えられていなかったり、取材対象に関する下調べ情報をしっかりと共有していなかったり……。

ライターB ただ、媒体のことを一番よく知っているのは編集者のはずですから、その媒体の趣向に合わせるかたちで書き直されることに、特段の不満は感じていません。

逆に、自分の書いたものが”そのまま”のかたちで媒体に掲載されていると「ちゃんとディレクションしたのかな……」と不安になるものです。直しの有無にかかわらず、自分が希望にかなうものを書けたのかどうか、フィードバックをいただくのがベストですね。

――クオリティに対するフィードバックについて、カメラマンのCさんの場合はどうですか?

カメラマンC 逆に、採用されたものが自分のイチ押しとは違っていた、というケースが多いです。以前、女性のインタビュー撮影後、表情の異なる複数のバリエーションを納品しました。本音では「笑顔の写真だと、ご本人が目尻のシワを気にするだろうな」と思っていたのですが、なんとその笑顔の写真が採用されてしまった……。

ライターさんの原稿と違って写真はフィードバックをいただきにくく、撮影データを納品する際に「何かあればおっしゃってください」と書き添えるようにしています。

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編集者A そもそも撮影の品質は、現場ですべて決まってしまうところがあります。自省を込めて思うことは、どんな風に撮影すればいい写真が撮れるのか、きちんとわかっている編集者が少ないこと。撮影に関する技術的な知識を十分に持っていないから、オーダーそのものがあいまいになっている、と自覚しています。編集者はもっとカメラのことを勉強しないといけません。

カメラマン、ライターが事前に知りたいこと

――”オーダー”という点でいうと、撮影にあたってカメラマンが事前に知りたいことって、どのあたりのことなんでしょう?

カメラマンC 撮影現場のロケーションです。写真の品質は撮影現場の明るさに左右されますから、例えば薄暗い部屋なら、それなりの機材を用意して現場に臨まなければいけません。あとは撮影対象の人数とか部屋の広さとか……。インタビュー撮影ならある程度は想像がつきますが、対談なんかだと少し離れた位置から撮らなければならず、それによって用意するレンズの種類も変わってきます。

――ライターの場合、事前に知りたいことは何ですか?

ライターB 媒体のトーン&マナーですね。例えば漢字で「子供」と表記するのか、仮名も交えて「子ども」と表記するのか、といった表記ルールは特に事前に知っておきたい。最終的に表記の統一を図るのは編集者の領域なのでしょうが、執筆時の参考になる情報は、共有できればうれしいです。

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編集者A 雑誌だと表記統一表をつくっているケースが多くて、それをライターに渡しておくこともありました。Web媒体の仕事が増えるにしたがい、業界全体でそうした慣習がくずれていることがあるのかもしれません。

クリエイターが抱える「お金の問題」

――ここまでのお話は制作そのものに関わるトピックでしたが、一方で、お金にまつわる問題もときおり発生しますよね。

ライターB 正直、ギャラを後から提示されるケースは困ります。基本的に提示された金額が低いからといってその仕事を断ることは少ないのですが、『お金の話がしづらい』といった日本人的な空気感があるように思います。

編集者A 特にこの業界は、契約を交わすという商習慣があまりありません。そのあたりがおざなりなことは多いと思います。事前にギャラをお伝えしないのは、その時点で全体の予算が決まっていないというケースでも起こりえます。とはいえ、それもそのまま正直にお伝えすればいいのですが。

――請求書を発行するタイミングも「納品時」だったり「公開(掲載)時」だったり、会社や媒体によってまちまちですよね。

カメラマンC 納品時ならまったく問題ないのですが、公開時の場合は、撮影から掲載までインターバルがあるとドキドキしますね(笑)。

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編集者A 雑誌の仕事では、発行から3ヵ月〜半年後、ひどいところだと1年後というケースもざらにあります。会社によって決まっているものなので編集者一個人ではどうすることもできないのですが、支払いが遅くなってしまうことを事前に伝えないといけませんよね。

――請求書の発行などはどうされていますか? 取引先から見積書・納品書・請求書の3点セットの発行を求められた場合、それを面倒だと思う個人事業主も多いと聞きます。

編集者A ペーパーレスの会社も増えてはいますが、その点も会社によりけりですね。PDFの請求書発行を認めている会社もありますが、いまだ紙での発行を厳守している会社が多いのではないでしょうか。

カメラマンC でも、そこまでやってくれるクライアントは逆に信頼がおけますよ。末永くおつきあいしたくなります。

――最近フリーランスの間では「Misoca」というサービスが話題になっています。煩雑になりがちな請求書発行業務を一元化でき、基本使用料は0円。請求書をPDFで発行することもできますし、郵送代行(有料)も備わっています。

編集者A 毎月各所から届く請求書を見ていると、Misocaユーザーが増えている印象はありますね。

ライターB 実は私もMisocaユーザーです。発行する請求書の項目ごとに消費税を込みとするか別とするかといった設定もできたりして、かなり使いやすいです。

問題はコミュニケーションで乗り越えられる?

――ここまでに伺ったことって、けっこうコミュニケーションの不足が起因しているような気がするんです。特に最近は、メールのやりとりだけで連絡を済ますことが一般的にも増えていますが、皆さんはいかがですか?

編集者A 理想は「メール+電話」ですよね。仕事の概要をまずはメールで伝え、伝わりにくいことは電話で話すのが一番。

カメラマンC すぐにレスポンスできないことが多いので、基本的にはメールで連絡いただくのが有りがたいです。

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編集者A 最近は連絡先がわからない場合など、TwitterやFacebookで連絡をとることもあります。

ライターB 私はLINEで仕事のやりとりすることもありますよ。

編集者A そういえばメールの文面って、本人にそのつもりはなくても、なんだか怒っている印象を与えてしまうことがありますよね。結局は使い分けだと思うんですよ。きちんとした文面をメールでやりとりするだけでなく、軽い会話はショートメールを活用してもよいと思います。

ライターB ただ最低でもお互いに一度くらいは顔合わせしておきたいですね。過去には一度もお会いしないまま、仕事のやりとりをしていた編集者がいました。その方には電話とメールでしっかりと仕事内容のブリーフィングをしていただいたのですが、結局は継続した関係が築けず、お仕事も途絶えてしまいました……。

編集者A 仕事をお願いする前の段階でお会いするのが一番よくて、一度でもお会いすれば、お互いヘタな仕事はできないと気が引き締まる感じもします。

ライターB でも会社務めの編集者に「お時間をください」というのはやっぱり気が引けるので、編集者からお会いいただける機会を設けてくれると、とても安心です。

――忙しくて、なかなか顔合わせの機会を設けられないこともあるんじゃないですか?

編集者A 編集者は忙しいふりをしますからね(笑)。しかし、本当に仕事のできる編集者であれば余裕をつくれるもの。そのくらいの時間はコントールできないといけないと思っています。

――さまざまな職種が集まる業界ですから、お互い、変に不満を持ち越すことなく仕事をしていきたいですね。本日はみなさん、ありがとうございました。

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