請求書の送り方に関する基礎知識

ビジネスにおいて取引先から支払いを受けるには「請求書」という書類を発行する必要があります。この請求書、普段は何気なく発行しているかもしれませんが、取引先に送る際にも一定のマナーがあることをご存知でしょうか。そこで今回は、意外と知っているようで知らない請求書の送り方のマナーについて解説したいと思います。
[おすすめ]法人の会計業務をかんたんに!無料で使える「弥生会計 オンライン」
2022年(令和4年)分の所得税の確定申告の申告期間は、2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)です。最新版の確定申告の変更点は「2023年(2022年分)確定申告の変更点! 個人事業主と副業で注目すべきポイントとは?」を参考にしてみてください!
目次
- POINT
-
- 宛先の書き方と角印に注意が必要
- 必ず送付状をつけておくること
- 請求書は絶対に「宅配便」で送らないこと
請求書の作成において気をつけることとは
請求書はその様式が社内で統一されているものを使っているケースが多いため、特に作成方法において迷うことは少ないかもしれません。ただ、そんななかでも2点だけ気をつけるべき点があります。
(1)宛先の書き方
請求書の宛先を書く際に、相手先企業名の株式会社を「㈱」と省略して書いたりしていませんか? これは大変失礼にあたりますので絶対にやめましょう。取引先に請求書を書く場合、宛名は絶対に省略して書かないよう注意してください。また、相手先の担当者名が分かっている場合は必ず担当者名まで書くようにしましょう。
(2)角印について
基本的には請求書に「角印」を押さなければならないという法的な決まり事はありません。ただ、取引先からすれば、角印がないと、その請求書が本当に企業から発行されたものかどうか、確認する術がありません。そのため、請求書を発行する際には相手のことも考えて角印を押してあげると良いでしょう。
請求書を同封する封筒に関する注意点とは
請求書を入れる封筒は、どのようなものを使っていますか?
一般的には請求書はA4サイズで発行されることが多いため、取引先のファイリングのしやすさを考慮すると、A4サイズで印刷するのが良いでしょう。そして、A4サイズの請求書を三つ折りにして長形3号の封筒に入れるのが一般的です。
極端に大きな封筒に入れることや他の書類と混ぜて郵送することは失礼になりますので気をつけましょう。
なお、封筒の色については、特段決まりはありませんが、白い封筒だと他のDMなどにまぎれてしまう可能性があるため、朱色など目立つタイプのものが良いでしょう。
また、封筒に封をしたら、必ず「請求書在中」と記載してください。位置としては、縦型封筒の場合は宛名面の左下あたり、横型封筒の場合は宛名面の右下あたりが良いでしょう。
請求書に送付状はいるの?
ときどき請求書を単体で封筒に入れて送りつける人がいますが、これは大変失礼です。請求書を送る際にも、必ず送付状は同封してください。この際、「書類送付のご案内」などのタイトルを記載し、同封物が請求書である旨を必ず記載しましょう。そして最後に「ご査収の程よろしくお願い致します」などと添えると良いでしょう。
絶対にやってはいけない請求書の送り方とは
請求書を「宅配便」で発送する人がいますが、これは完全にNGです。確かに宅配便で送れば確実に手渡しとなるため、送る側としては安心ですが、実はこれは法的に問題になります。
請求書の類は郵便法における「信書」に該当するため、定形郵便などの信書配送可能な日本郵政の配送サービスを利用しなければならないのです。
そのため、請求書はくれぐれも宅配便で送らないよう注意しましょう。
また、請求書をメールで送る場合については、データを改ざんできないよう、PDF化した上で、パスワード設定をするなどしてセキュリティを確保するように心がけましょう。
請求書はいつまでに送ればいいの?
取引先の経理処理には「締め日」というものがあるため、請求書の発行が遅れると、取引先の経理担当者に迷惑をかけることになります。かといって、商品やサービスを納品する前に請求書を発行するのは失礼なため、予め取引先の経理担当者に、いつまでに請求書が必要なのかを事前に確認しておくのが確実でしょう。
取引の都合上、どうしても間に合わない場合は、事前にファックスやメールで送信したあとに、原本を郵送するといった柔軟な対応も時には必要となるでしょう。
普段から請求書の送付に特に気を配っているという人は少ないかもしれませんが、請求書は取引先から代金を支払ってもらうための大切な書類です。記載方法や送り方には十分に注意しましょう。
photo:Thinkstock / Getty Images