ピックアップ!小規模事業者を支援する融資制度について

事業を行っていると、どうしても必要となってくるのが、資金です。今はその必要がない場合でも、「人間万事塞翁が馬」。よくも悪くも何が起こるか分からないのが、ビジネスというものであり、思いもよらないことで資金繰りが厳しくなることもあるかもしれません。また、さらに売上を伸ばしたいという積極的な意味で、融資を受けたいという方もいるでしょう。民間の金融機関に相談するよりも魅力的な条件で融資を受けられることもある、公的な小規模事業者向け融資制度をいくつかピックアップして、ご紹介したいと思います。
[おすすめ]法人の会計業務をかんたんに!無料で使える「弥生会計 オンライン」
目次
- POINT
-
- 担保や保証人なしでも受けられる融資がある
- 商工会議所や商工会の指導が必要な融資制度も
- 目的と状況に応じた融資をチョイスしよう
小規模事業者経営発達支援資金
「事業計画を実現させたいのに、運転資金や設備資金が足りない……」
そんなお悩みを持つ方のために、日本政策金融金庫が低利で融資を行うのが「小規模事業者経営発達支援資金」です。
条件は、事業計画を実施するために、商工会議所もしくは商工会から、売上増加や収益改善のためのフォローアップなど事業の支援を受けていること。それも、商工会議所・商工会については、経営発達支援計画の認定を受けたところに限られています。その支援のもと、持続的な事業を展開していれば、利用することができます。
条件があるぶん、融資の内容はなかなか魅力的。融資限度額は7,200万円で、うち4,800万円が運転資金です。設備投資や運転資金の調達を目的としたものですから、かなり幅広い利用が可能です。
また、返済期間は、設備資金の場合は20年以内、運転資金の場合は8年以内。利率は返済期間や担保の有無によって変わってきますが、融資制度のなかでも使用しやすい制度だと言えそうです。
マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度)
同じく日本政策金融公庫の「マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度)」も、事業者を支援する融資として知られています。
「この1年以上にわたって商工会議所地区内で事業を行っている」
「商工会議所の経営や金融に関する指導を原則6ヵ月以上受けて改善に取り組んでいる」
「所得税、法人税、事業税、都道府県民税などの税金を完納している」
などの条件があります。また、あくまでも小規模事業者向けなので、従業員が20人以下(商業・サービス業の場合は5人以下)の事業者が対象です。
限度額は2,000万円で、返済期間は運転資金が7年以内、設備資金が10年以内です。担保や保証人が不要で、低金利の融資が受けられるというのが、マル経融資の特徴です。
小規模企業者等設備導入資金制度
ほかにも、全国中小企業取引振興協会は、設備投資に特化した融資を行っています。それは「小規模企業者等設備導入資金制度」と呼ばれるもので、対象は、やはり従業員が20人以下(商業・サービス業の場合は5人以下)の事業者となります。
連帯保証人や物的担保が必要ですが、4,000万円(所要資金の1/2以内)を限度額として、無利子で融資を受けることができます。資金不足で、設備投資が進まない場合は、検討してもよいのではないでしょうか。
以上、紹介いたしましたが、もちろん、ほかにも小規模事業を支援してくれる融資にはさまざまな制度があります。
特に、お住いの市区町村のホームページをチェックすると、そうした情報が更新されていることがあります。こまめに確認して、事業の状況に応じた融資を受けるようにしましょう。
photo:Thinkstock / Getty Images