コワーキングスペースのメリットとその活用術

今、フリーランスや個人事業主の方がコワーキングスペースを利用するケースが増えています。コワーキングスペースとは、いわゆるレンタルオフィスのように、個室スペースをオフィスとしてレンタルするのではなく、オープンスペースをさまざまな人同士で共有するという新しいタイプのオフィス形態です。
そのため、そのオフィス内で仕事をしている人たちは、互いに違う仕事を持ち、独立して活動をしています。
今回はそんなコワーキングスペースの魅力と、中小企業においての活用術について解説したいと思います。
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目次
- POINT
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- オフィスと同等の環境を有する「サテライトオフィス」
- 低コスト低リスクでの事業拡大が可能
- 繁忙期に対応した一時オフィスとして利用できる
コワーキングスペースのメリットとは
そもそも通常のオフィスを使わず、コワーキングスペースを利用するメリットとはどこにあるのでしょうか。
●コスト削減
一般的なオフィスを借りるとすると、たとえ分譲マンションの一室だとしても毎月10万円前後の賃料や管理費などが必要となりますが、コワーキングスペースであれば、そのコストを月1〜3万円程度にまで抑えることが可能になります。また、契約時に多額の保証金が必要になることもありません。
●新たなネットワークの形成
実はコワーキングスペースの一番の魅力はここにあります。すなわち、さまざまな業種業態の人が同じスペースを共有するということは、そこに大きなビジネスチャンスが潜んでいるということでもあるのです。
そもそもコワーキングスペースを利用している人は、新たなビジネスの可能性を求めている人が多いため、コミュニケーションがとりやすく、ビジネスへ発展する見込みも高いです。
中小企業のコワーキングスペース活用術
コワーキングスペースは主にフリーランスなどの個人事業主が多く利用していますが、一方で中小企業がコワーキングスペースの活用を検討する場合、どのような利用法や活用法があるのでしょうか。
活用術その1:本拠地のサテライトオフィスとして
中小企業のなかには、社内に十分な作業スペースが確保できなかったり、会議室などの打ち合わせスペースがなかったりするケースがあるかと思います。通常、このようなケースでは、その都度レンタルスペースを借りたり、近所の喫茶店などで打ち合わせをしたりすることも少なくありません。コワーキングスペースなら、非常に少ない費用負担で、オフィス内と同程度の環境が確保できる「サテライトオフィス」として活用することができるでしょう。
活用術その2:事業拡大の試験運用として
中小企業が事業拡大を考えた場合、通常であれば多額の先行投資を行ってオフィスを拡大する必要性が出てきますが、これには非常に大きなリスクを伴うのも事実です。そこで新規事業立ち上げに伴い、そのプロジェクトチームの活動拠点としてコワーキングスペースを活用するという方法があります。
これにより、少ない予算で新しい事業を試験的に運用することができ、また、コワーキングスペースの特性を活かして、新たな発想やネットワークが構築できるという可能性もあるでしょう。
活用術その3:一時的な繁忙期に対応するための追加オフィスとして
業種や業態によっては、一年の中で特に業務が集中する時期があります。通常、もっとも多くの業務が集中する時期をベースとして、その時期の業務量に耐えられるだけの余裕のある広さの事務所を借りる必要があります。繁忙期の間だけコワーキングスペースを活用すれば、事務所を借りるコストが年間を通して低く抑えられるでしょう。
このように、低コストで気軽に利用できるコワーキングスペースは、個人事業主だけでなく、中小企業もその特徴を上手に活用することで、自社のビジネスに大きく役立てることができるでしょう。
photo:Thinkstock / Getty Images