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確定申告書│第一表と第二表の書き方

初めて確定申告するときは、何から手をつけていいのか分からないものです。今回は個人事業主が作成することになる「確定申告書B」の第一表と第二表の書き方を説明していきます。

白色申告・青色申告の帳簿を作るときの注意点とは?

POINT
  • 先につくるのは 青色申告決算書(収支内訳書)
  • 「確定申告の手引き」が公式マニュアル
  • 手書きよりもPCでつくる方が楽ちん

先に青色申告決算書(収支内訳書)をつくっておく

サラリーマンや年金受給者などは「確定申告書A」を使いますが、個人事業主の場合は「確定申告書B」を使用します。

確定申告書Bの第一表を完成させるには、1年間の事業収入、売上原価、必要経費などの計算が終わっていることが前提条件です。つまり、まずは帳簿を完成させて、青色申告なら「青色申告決算書」、白色申告なら「収支内訳書」を先につくっておく必要があります。さらに国民年金や国民健康保険といった社会保険料、生命保険料控除などの控除関係の証明書も用意しておきます。

【参照】税理士が教える!青色申告決算書の書き方

手書きの場合は、確定申告のやり方を解説した「確定申告の手引き」という小冊子を入手しておきます。正式名称は「所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」で、国税庁がつくった公式マニュアルです。税務署で無料配布しているほか、国税庁のサイトからPDFでダウンロードすることもできます。

【参照】確定申告書の手引き

確定申告書をつくるということは、所得税額を算出するということ

申告書の第一表には、先につくった「青色申告決算書(収支内訳書)」を参照しながら記入していきます。その年の収入や所得といった必要事項を左上から順番に記入していくだけで、納めるべき所得税額が算出される仕組みになっています。

申告書には収入と所得だけを記入すればよく、必要経費の記入欄はありません。また、「所得から差し引かれる金額」の各項目には、自分が受けられる所得控除の金額を記入していきます。

第一表にはカタカナと番号が入っている列がありますが、これは「確定申告の手引き」に載っている解説に対応しているのです。さらに、ところどころに数式が書かれていますが、これはすでに記入した金額を当てはめて計算するところです。
たとえば、第一表右上の「税金の計算」項目の一番上にある「(26)課税される所得金額」には「(9)-(25)」と書かれています。つまり、「所得金額」項目の「(9)合計」から「所得から差し引かれる金額」項目の「(25)合計」を引くという意味です。この計算で求めた金額を「課税される所得金額」欄に記入します。

続いては第二表。
第二表は、第一表で記入した金額の内訳や詳細を記入するものです。「所得の内訳」には取引先別の1年間の収入と源泉徴収税額を記入します。支払調書をもらっているなら、それを転記します。

「所得から差し引かれる金額に関する事項」は第一表の番号に対応しています。たとえば「社会保険料控除」は(12)なので、第一表の(12)に記入した金額の内訳を書きます。控除がないところは空欄のままです。

そのほか、事業専従者がいる場合、税額控除がある場合なども記入しておきます。

手引き通りに記入していけば、確定申告書が完成するようにできています。ただ、この手引きはすべての申告者向けの全方位対応になっているため、自分には関係ない説明も多く載っていて、非常に読みにくくなっているのも事実です。

手書きよりはPCでつくる方が簡単!

正直、手書きで記入したくないという人も多いでしょう。そういった人には国税庁の「確定申告書等作成コーナー」か、または市販の確定申告ソフトの利用をおすすめします。

【参照】確定申告書等作成コーナー

「確定申告書等作成コーナー」は、必要な情報を入力するだけで申告書や青色申告決算書、収支内訳書をPC上で作成できる無料サービスです。作成した申告書等は印刷して税務署へ提出できます(e-Tax利用者はネット提出も可能)。ただし、帳簿に関しては事前に自分でつくっておく必要があります。白色申告ならExcelでも十分ですが、青色申告なら確定申告ソフトを使うのが近道となるでしょう。

市販の確定申告ソフトの場合は、1年間の取引をすべて入力すれば、すべて仕訳をしてくれて帳簿が自動作成され、さらにその流れで青色申告決算書(収支内訳書)と申告書Bもほぼ自動作成できます。減価償却費や家事按分などもすべて自動計算です。有料ではありますが、一番手間はかかりません。最近ではクラウド版の確定申告ソフトも増えてきています。

確定申告の全作業工程においては、帳簿と青色申告決算書(収支内訳書)をつくるまでがメインパートで、確定申告書Bの作成は最後のひと手間に過ぎません。すべての工程を効率的に済ませたいなら、やはり確定申告ソフトでつくることをおすすめします。

photo:Thinkstock / Getty Images

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