確定申告│マイナンバー制度で無申告はバレるのか?

マイナンバー制度が始まって、盛んに言われているのが「国が国民の所得を把握しやすくなる」ということです。何らかの事情で確定申告をしていない人は、すべて捕捉されてしまうのでしょうか?
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目次
- POINT
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- 取引先が税務署に提出する支払調書にはマイナンバーが記載される
- 所得があるのに無申告は脱税状態
- マイナンバー制度で所得は把握されることに
マイナンバー制度が始まっている
まだ実感はありませんが、2016(平成28)年からマイナンバー制度が始まっています。
会社にとってマイナンバーが必要となるのは、社員の源泉徴収票を作成したり、報酬の支払調書を作成するタイミングなので、今すぐどうこうというわけではありません。
ただ、すでに報酬の支払いのためにマイナンバーを聞かれた個人事業主もいるようで、対応は会社ごとに違っています。
そして、これからは取引先が税務署に提出する支払調書にマイナンバーが記載されるわけですから、お金の流れの透明度がグンと上がるといわれています。
バイトや副業をしていて無申告の人もけっこういる?
サラリーマンの場合は会社が所得税を納税してくれますが、個人事業主の場合はすべて自己申告制です。その自己申告のことを確定申告と呼んでいるわけです。
今さらではありますが、所得(儲け)があるのに確定申告をしていないという個人事業主は、国民の三大義務のひとつ「納税の義務」を果たしていないことになります。
またサラリーマンとして働くかたわら、ホステスのバイトをしたり、ネットオークションをしたりするなどして、副業でけっこうな収入(年間所得20万円超)があるのに確定申告をしていない人もいるかもしれません。
これらは脱税状態なので、もし指摘された場合は7年前まで遡って追徴課税されたり、悪質なときは犯罪として刑罰を受けることになります。
原稿のネタになるかもと、接客業の女性と話す機会があるときは確定申告について聞くようにしています。最近ではお店に雇われているのではなく、派遣会社に登録して派遣社員として夜のお店で働いていることも多いのだそう。こういった雇用形態であれば、自分で確定申告する必要はありません。
ただし、複数の派遣会社に登録している場合など、複数社から源泉徴収票をもらっている場合は確定申告が必要です。この点にはご注意ください。
マイナンバーで所得は把握されやすくなる
実際、無申告はバレるのでしょうか。
マイナンバー制度では、支払調書に報酬を受け取った人のマイナンバーが記載されます。支払調書とは会社が税務署に必ず提出する書類です。つまり、マイナンバーを検索すれば、誰がどこからいくら受け取ったのかがすぐに分かる仕組みとなっています。これまでよりも税務署が個々人の収入を把握しやすくなっているのは間違いなさそうです。
そうはいっても税務署も忙しいでしょうから、無申告の人をすべて把握できたとして、手が回らないのが実情ではないでしょうか。もし自分が税金を徴収する側になったとしたら、まずは所得が多い人からの徴税を優先します。その方が効率的です。
噂話のレベルですが、マイナンバー制度の狙いのひとつは、近い将来、日本の国家財政が破たんした時に富裕層の蓄えを没収しやすくするため、といった説を聞いたことがあります。
いずれにしても、真面目に働いてキチンと納税している人が馬鹿を見る世の中ではまずいでしょう。マイナンバーは個人情報保護の観点から賛否両論ある制度です。しかし、税の不公平感が少しでも解消されるのであれば、勤労者にとっては良いことなのかもしれません。
photo:Thinkstock / Getty Images