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確定申告に使う用紙の種類

確定申告の準備をしようと思っても帳票の種類が多くて、そもそもどれを使っていいのかわからない・・・ということはないでしょうか。
今回は、所得税の確定申告で基本的に必要となる帳票を中心に説明します。

POINT
  • 確定申告書は「申告書A」と「申告書B」の2種類
  • 申告しようとする所得の種類で、使用する帳票がちがう
  • 提出するのは「申告書Aまたは申告書B+申告書へ記入した所得額や控除額に係る明細等」

確定申告書の様式と構造

まずは、所得税の確定申告に使う帳票がどんなものなのかを簡単にみてみましょう。

確定申告書

確定申告書には申告書Aと申告書Bの2種類があり、ともに第一表・第二表からなります。

第一表・・・最終的な税額を計算する表
第二表・・・所得の内訳等、第一表の明細に相当します。

さらに確定申告書Bには第三表、第四表があります。

第三表・・・分離課税用。申告しようとする所得に分離課税されるものがある場合にはこの用紙を使用します。
第四表・・・損失申告用。その年に出た損失を翌年以降に繰越す・前年までに繰越した損失を所得から差し引く際に使用します。

明細など

◆収支内訳書、青色申告決算書
事業の収支を記入します。白色申告であれば収支内訳書、青色申告であれば青色申告決算書を使用します。

◆医療費の明細書
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書etc.

明細書類は申告書に記入する所得額や控除額を「このように計算しましたよ」という計算過程を書く書類です。

申告書を作成する際には収支内訳書や青色決算申告書、各明細で算出した額を申告書へ転記します。

所得税の確定申告で提出するのは「申告書Aまたは申告書B+申告書へ記入した所得額や控除額に係る明細等」です。

申告書A、申告書B どちらの申告書を使うのか

主にサラリーマンや年金受給者は「申告書A」(※)、個人事業主やフリーランスの人は、「申告書B」を使用します。

所得は下記の10種類に分類されており、確定申告をする際にはまず自分の所得がどれにあたるのかを確認しなければなりません。

<10種類の所得>
・利子所得      ・退職所得

・配当所得      ・山林所得

・不動産所得     ・譲渡所得

・事業所得      ・一時所得

・給与所得      ・雑所得

ここで申告しようとする所得が給与所得や一時所得、雑所得、配当所得(配当所得は総合課税と分離課税の選択可)のみであれば申告書Aを使用できます。
また、サラリーマンや年金受給者でも給与所得、一時所得、雑所得、配当所得以外のものがあれば申告書Bを使用します。

なお、申告書Aは申告書Bの簡易な申告書ですので、申告書Aで事足りる人が申告書Bを使用して申告をしても問題はありません。

上記が申告書Aです。申告書Bよりもシンプルなつくりとなっています。
(※)2023年(令和5年)1⽉から申告書 A は廃止され、申告書 B に一本化される予定です。(2021年12月9日 スモビバ!編集部追記)

上記が申告書Bです。事業による収入や不動産の賃貸収入等、給与以外の収入がある方はこちらに該当します。

第三表の作成が必要になる所得も

所得には特定の所得税率を上げたり下げたりすることでそれに関する取引を促進または抑制することを目的として、所得の種類ごとに課税する「分離課税」で課税されるものがあります。

所得にはその種類ごとに分離して、その種類ごとに税額を計算する「分離課税」という方法もあります。

主なものに、土地や建物の譲渡所得、株式等の譲渡所得、退職所得等があります。
これらの所得に分離課税が採用されているのは、税政策が取りやすいといった側面が背景としてあり、例えば株式の譲渡、配当に係る軽減税率は株式市場の活性化につながる等です。

<分離課税される6つの所得>
・退職所得
・山林所得
・不動産の譲渡所得
・配当所得
・株式等の譲渡所得
・先物取引の雑所得

この分離課税される所得がある場合、給与所得などの他の所得と一緒に税額を計算することはできません。そのため、第一表、第二表に加えて、第三表を作成し、所得の種類ごとに税額を算出します。

上記が第三表となります。不動産の売却、株式の売却、配当収入等があった場合に使用します。

第四表を作成しておかなければ損失は繰越されない

損失が出た場合、翌年以降の3年間、損失を繰越すことができます。
しかし損失が出た年に第四表を作成して申告しておかなければ繰越すことができないので注意が必要です。

繰越のできる損失には、事業所得、不動産所得、譲渡所得、山林所得があります。

上記が第四表となります。損失の繰越に使用するものです。

まとめ

領収書など、何かと用意しなければいけないものが多い確定申告。スムーズに申告ができるよう、取捨選択しながら準備を進めていきましょう。

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photo:Thinkstock / Getty Images

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