確定申告をe-Taxで行う方法

インターネットを通じて行う確定申告が「e-Tax(イータックス)」です。実際に利用したことはなくても、名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。今回は確定申告をe-Taxで行う手順について調べてみました。
(※)e-Taxの方法について、情報が更新されています。
最新情報はこちら「e-Tax(電子申告)で確定申告をする方法!必要なものやメリット、やり方を解説」をご覧ください。(2022年1月31日 編集部追記)
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目次
- POINT
-
- e-Taxを行うには事前に揃えるモノが必要
- 開始届出書を提出して利用者識別番号を発行してもらう
- 現状はハードル高いが、将来的にはもっと簡単になる予定
個人番号カードとカードリーダライタを用意する
自宅からインターネットで確定申告ができると聞くとすごく便利そうですが、すぐには始められません。e-Taxを使い始めるにはパソコンとインターネット接続環境のほかに以下の準備を済ませておく必要があります(2016年1月現在)。
- 個人番号カード(電子証明書付き)の取得
- カードリーダライタの購入
- 公的個人認証サービスの利用者クライアントソフトのインストール
マイナンバー制度の施行によって2016年から新たに交付されている「個人番号カード」が必要です。これは身分証明としても使えるカードで、市区町村窓口で無料作成できます。正確には個人番号カード自体ではなく、カードの中に入っている「署名用電子証明書」機能を使います。これは提出する確定申告データの本人確認と改ざん防止のためです。
個人番号カードはネットから申請もできます。忙しい人は、パソコンやスマホで自撮りした写真を付けて申し込んでおいて、カードを受け取りに市区町村窓口に行く、というのもいいかもしれません。
2015年までに電子証明書が入った「住基カード」を取得している人は、有効期限内は個人番号カードの代りにe-Taxで使うことができます。
(※)個人番号カードに電子証明書が切り替わると住基カードが使用できなくなるので、個人番号カードの申請タイミングについては各自治体にご相談ください。
次に電子証明書が入った個人番号カードを読み取る機器も必要です。「カードリーダライタ」と呼ばれるもので、USB端子でパソコンに接続して使います。家電量販店などで1,000円から数千円程度で購入できます。正直、e-Tax以外の使い道はほとんどありませんが、会社設立時に電子定款を自分で作る際にも使えます。
さらに電子証明書を使うための「利用者クライアントソフト」を公的個人認証サービスのサイトからインストールしておきます。これはe-Taxだけでなく、他の行政手続きの電子申請にも共通して使うソフトです。
e-Taxの開始届出書を提出する
個人番号カード、カードリーダライタ、公的個人認証サービスの利用者クライアントソフト。ここまで揃えてようやく外堀が埋まります。ここからはe-Taxのサイトで以下の手続きを進めていきます。
- ルート証明書・中間証明書のインストール
- 信頼済みサイトとして登録する(Windowsのみ)
- 開始届出書の提出(利用者識別番号の発行)
まずは「ルート証明書・中間証明書」のインストールです。これはやり取りするデータが国税庁から送信されているものであることを証明するためのものです。
続いてはe-Taxのサイトを信頼済みサイトとしてパソコンに登録しておきます。ポップアップがブロックされるのを防ぐためです。信頼済みサイト登録ツールを使います。
e-Taxの利用には事前に最寄りの税務署へ届出が必要です。「電子申告・納税等開始届出書」という書類です。これは紙の書類を提出してもいいですが、e-Taxのサイト上でも行えます。この手続きを進めていくことで「利用者識別番号」が通知されます。この番号はe-Taxのログイン時に必要となるものです。
「確定申告書等作成コーナー」で必要項目を入力
ここまで来ればあとは申告書を作成する作業です。「確定申告書等作成コーナー」というブラウザソフトに入力していきます。データを途中保存したり、過去のデータを基にして作成したりすることもできます。作成した確定申告書はそのままデータで提出できます。
ちなみにこの「確定申告書等作成コーナー」で作成したデータを基にして、紙の書類で税務署へ提出することも可能です。
どうせならパソコンじゃなくスマホでやりたい、という人もいるかもしれません。スマホのブラウザでe-Taxのサイトを表示すれば、e-Taxソフト(SP版)というスマホ対応(Android&iOS)のブラウザソフトを使えるのですが、残念ながらこのソフトで確定申告を行うことはできません。基本情報の変更など、一部機能だけが使えます(2016年1月現在)。
ここまでe-Taxの手順を紹介してきましたが、利用可能な状態までたどり着くには相当ハードルが高いです。実際に自宅からe-Taxで確定申告を行っている人は1割にも満たないという調査結果もあるようで、現状ではまだまだ浸透しきっていないシステムといえます。
将来的には電子証明書やカードリーダライタを使わない方式も検討されているようなので、もう少し簡単にできるようになることに期待したいです。
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photo:Thinkstock / Getty Images