こんなことに注意しよう!初めての確定申告

どんなことでも初めて行うときは、思わぬことに驚かされたり、知らないことだらけで失敗したりするものです。確定申告の場合は慣れた人ですらミスをしますから、初めてだと戸惑うことも多いでしょう。今回は、初めて確定申告を行う人に注意してほしいことを挙げていきたいと思います。
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目次
- POINT
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- 事業用の口座を開設する
- 領収書は提出しなくてよいが、保管義務がある
- クレジットカードの明細はとっておく
事業専用の口座に開業資金を
私が個人事業を立ち上げたときに一番初めに行ったことが、個人用とは別に事業用の口座を開設することでした。そうすると、事業用の口座で行われている出入金をチェックすれば、ギャラとしていくら振り込まれて、経費としてどんなものに使ったのかが一目瞭然なので、帳簿も付けやすいです。
ただ、事業用の口座にあるお金を使って、個人的に使うものを購入することは構わないと思います。できれば、それも個人用で行いたいところですが、そこまで徹底することは難しいでしょう。事業用口座のお金をプライベートで使った場合は「事業主借」という勘定科目で処理すれば、よいだけのことです。
避けたいのは、個人用の口座で事業に関する出入金を行うことです。それをやってしまうと帳簿をつけるときに、複数の口座をチェックすることになります。事業用のやりとりを行う銀行口座は一つにして、さらに個人用と分けられればベストということです。事業の経費として物を購入するときのクレジットカードを決めて、その引き落としの口座も事業用のものにしておくとよいでしょう。
一にも二にも領収書!
普段からできる確定申告の準備といえば、領収書を集めることだと思います。初めて確定申告を行う人も今、仕事に使う物を購入したときは、領収書を日々もらうようにしていることかと思います(もししてなければ集めましょうね!)。
初めて確定申告する人で多いのが、集めた領収書の束を確定申告のときに提出しなければならないという誤解です。領収書をもとに帳簿を作って申告書を作成しますが、領収書や帳簿自体は提出しなくてもよいのです。
それを聞くと、必死で領収書を集めた人ほど拍子抜けすることかと思います。
「それじゃあ別に適当な額を帳簿に書いてもいいのでは……」
そんなふうに思ってしまう人もなかにはいるかもしれませんが、税務調査が入ったときに困ることになります。領収書の保存期間は7年です。結構、長いですよね。領収書は提出しなくてもよいけれども、保管しておかなければならないということを覚えておきましょう
そして、できれば、領収書をただ集めるだけではなく、どんな目的で使ったのかを領収書に書いておくか、分かるように整理しておくとよいでしょう。もし、仕事の打ち合わせで先方と飲食をして自分が支払ったならば、その領収書をとっておくだけではなく、合計人数や相手の会社名などを記載しておくと、税務調査が入っても明確に説明できます。
クレジットカードは明細もきちんと
領収書を残しておかないと経費だと証明できない現金での購入に比べて、クレジットカードでの購入は銀行口座に証拠が残るので、その点では便利です。
ただ気をつけなければならないのが、明細を毎月残しておくということ。なぜならば、引き落としは月に1回まとめて行われるので、その内訳を知るには、明細が必要になるのです。
最近はWEB上での明細を推奨するクレジットカード会社も多いので、そうしている人も少なくないでしょう。しかし、WEB明細の履歴は1年もないことが多いです。つまり、確定申告時期に慌てて履歴を観ても、必要なだけの明細はそろわないということです。
かく言う私がまさに同じミスを毎年犯しているのですが、WEB上での明細では履歴が残っていない分は、改めて郵送で送ってもらわなければなりません。しかも、それは電話してから数週間かかるケースもあるので、注意が必要です。ギリギリで作業していたら、確定申告時期に間に合わないかもしれません。
そういうことがないように、クレジットカードの明細はきっちり毎月とっておくこと。初めて行うときからその癖をつけておくと後々、よい習慣ができるのではないかと、自戒を込めてお伝えしておきます。ああ、今年はできていないから、来年こそは……。
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photo:Thinkstock / Getty Images