独立・開業に必要な費用はいくら?【個人事業主編】

こんにちは。フリーライターの岸田です。独立・開業しようと考えたとき、何はともあれ必要なのがお金ですよね。どこまで参考になるかわかりませんが、今回は私がフリーランスとして活動を始めるときにどのくらいの費用がかかったのか、振り返ってみたいと思います。
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※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。
目次
- POINT
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- フリーライターは名乗った瞬間に即開業
- ノートPCとデジイチは用意しておきたい
- シェアオフィスも検討する価値アリ
フリーになってから仕事用に購入したものは?
フリーライターという職業に資格は要りません。名乗った瞬間に即開業です。ただ同じライターでも人によって、仕事の内容はかなり違います。取材で外出することが多い人、ひたすら家に閉じこもって作業することが多い人……私の場合は、企画屋とライターの両方をやっているので、ちょうど中間くらいですね。この業務内容によって、必要なものは変わってくるでしょう。
2014年9月に出版社をやめてフリーランスになってから、仕事用に新たに購入したものを思いつくままに挙げてみました。
- 名刺
- 独自ドメイン
- ICレコーダー
- MacBook Air
- モバイルWi-Fi
- デジタル一眼レフカメラ(一式)
- ドキュメントスキャナ
- 椅子(人間工学に則したもの)
名刺は必須!あとはノートPCとデジイチがあれば
名刺●747円(送料込)+2人分の食事代
知人のデザイナーに食事をごちそうしてデータを作ってもらい、ネット注文しました。モノクロ印刷だと100枚で500円程度からあります。こだわりたいなら、薄くて折れにくい高級紙やプラスチック名刺もいいかもしれません。こういった名刺だと100枚で数千円と当然値段も高くなります。下記の記事も参考に。
【参考記事】フリーランスの名刺に必要な3つのポイント。名刺は言葉より雄弁な『営業ツール』
独自ドメイン●680円+年間サーバ代4,500円
フリーランスになってしばらくはGmailのアドレスを使っていましたが、無料メールのままだといまひとつ信用されない気もして、独自ドメインを取得しました。定番の「.com」で取得料は680円。せっかくサーバレンタルしたので、自前のサイトを作って名刺に載せたりもしています。独自ドメイン取得後に名刺を一度作り直しました。
ICレコーダー●6,350円
取材が多い場合はICレコーダーもあった方がいいでしょう。スマホやMacBookでも音声録音はできますが、バッテリー切れが心配ですし、ICレコーダーは録音性能が圧倒的に良いです。先輩のライターでいつもICレコーダー2台を使って録音している人がいました。もし1台が壊れても、もう1台が動いていれば、という保険をかけていたのですね。今ならICレコーダーとスマホの2台体制がいいのかもしれません。
MacBook Air 13.3インチ●106,700円
取材や打ち合わせ用にノートPCも必須。テープ起こしなどの単純作業はカフェにノートPCを持ち込んで行うこともあります。ただし、ExcelやPowerPointでの資料作成やデザイン系のソフトを使うときは、自宅の大画面モニターの方が効率的に作業できます。
こういった作業場所の使い分けに便利なのがオンラインストレージ。私の場合、進行中のファイルはすべてDropboxに入れて、どの端末からも最新データにアクセスできるようにしておきます。テキストデータがメインなら無料プランでも十分ですが、写真や動画ファイルを大量に使うなら保存容量の多い有料プランがおすすめ。下記の記事も参考になるでしょう。
【参考記事】仕事がはかどる!フリーランスにオススメのオンラインストレージ
モバイルWi-Fi●月額3,993円
フリーランスになる際、真っ先に見直したのが通信費です。自宅の固定電話とネットプロバイダを解約し、電話はスマホの1回線のみ、インターネットはモバイルWi-Fiを導入。月額にして数千円程度、節約となりました。1人暮らしだからこそ可能な選択ですね。データ通信量を気にすることなく、ネット回線を持ち歩けるのは助かります。格安SIMの導入も検討しましたが、1回線しかないので通信環境はしっかりしていないと不安なので、今のところは様子見です。
デジタル一眼レフカメラ(一式)●約180,000円
ウェブ記事の取材では、ライターがインタビューから撮影まで行うことが当たり前。私自身、以前はすべてカメラマン任せだったのですが、自分で(それなりの)写真を撮る必要に迫られ、デジイチを購入しました。中古ボディ60,000円、レンズ2本80,000円、ストロボ20,000円、カメラバッグ・機材等20,000円、合計で約180,000円。
ドキュメントスキャナ●40,820円
書籍の校正紙を数十ページ一気にPDF化するのに重宝しています。インク交換の費用が高いし面倒なので、家庭用プリンターは所有しない主義。コンビニでプリントアウトしてスキャンはこれ、といった感じです。スキャナだけなら高い買い物ですが、じつはこのドキュメントスキャナ、PDF編集ソフトの「Adobe Acrobat」同梱モデルだったのです。仕事柄、PDF編集ソフトは絶対に必要です。当時、「Adobe Acrobat」はソフト単体で25,000円以上していた代物。本体とセットで入手できるのは、とてもお得だったのです。
椅子(人間工学に則したもの)●87,360円
PCデスク用の椅子が壊れかけだったので、買い替えを決断。オフィス用の安いものなら数千円からありますが、家で作業する時間が圧倒的に長くなることを考え、丈夫な高級品をセレクト。人間工学に則したなんとかデザイン……みたいな売り文句のタイプです。さすがに座り心地は抜群! ただし安定感がある分、ものすごく重い。総重量はおそらく15キロから20キロくらい。衝動買いではありますが、作業環境にこだわるなら、これくらいの出費はアリなのでは?
仕事場は自宅以外の方が気持ちの切り替えができるかも
その他、導入はしなかったけれど、検討したものもあります。
シェアオフィス●月額30,000円程度
最後まで本気で悩んだのがシェアオフィス、コワーキングスペースの月額会員になるかどうか。自宅で起床→仕事→就寝だと、生活リズムが単調すぎます。毎日出勤する方が、気持ちの切り替えはできるもの。名刺にコワーキングスペースの住所を書くこともできますし、郵便物の受け取り、仕事の打ち合わせなども可能。他のフリーランスの人と出会うこともできたりして、思わぬ仕事が舞い込むことも。いいことずくめですが、定額の出費ができてしまうのと、自宅からちょうどいい距離の物件がなかったので見送りました。今は気分転換に喫茶店で仕事をしたりしていますが、近いうちに引っ越しを含めて再検討したいところです。
というわけで、フリーライターであれば家賃を除けば、多くても数十万円程度の費用で開業できます。PCやカメラ等の機材はすでに所有していたりするでしょうし、なかには費用ゼロで始める人もいるかもしれません。自分で店舗を構えようとすると、数百万円から1千万円はかかると言われていますから、圧倒的に初期投資は少ないですね。その分、継続して仕事を受注するのも難しかったりするわけですが……。
以前、税理士の伊藤先生にお話を聞いたとき(下記参照)には、店舗経営の場合は「運転資金として1年分くらいの生活費は確保しておいた方がいい」とおっしゃっていましたが、フリーランスも基本は同じ。諸事情で売掛金を回収できないことも普通にあったりします。
【参考記事】店舗経営エキスパート税理士にズバリ聞いた!店舗経営「成功の秘訣」起業編
どんな事業を始めるにしろ、開業費用とは別に余裕資金を用意しておきたいものですね。
photo:Thinkstock / Getty Images