青色事業専従者給与と配偶者(特別)控除。節税効果の違いは?

一見違いがよく分からない「青色事業専従者給与」と「配偶者控除」。節税対策として個人事業主ならばぜひ利用したい制度ですが、お互いにメリット・デメリットが存在するため、どちらを適用させれば得になるのかを知っておいて損はありません。今回はこのふたつに加え、扶養控除と配偶者特別控除の違いも含めて、節税効果を比較してみようと思います。
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目次
- POINT
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- 青色事業専従者給与は「支払い」、他は「控除」
- 青色事業専従者給与は「必要経費を増加させる」仕組み
- 配偶者(特別)控除は「所得控除を増加させる」仕組み
まずは項目の意味合いについて知っておこう
いきなり固有名詞がたくさんが出てくると混乱してしまうので、最初に各項目を整理しておきましょう。
1.青色事業専従者給与
事業者は、「生計を共にする配偶者・その他の親族」に給与や借入金利息を支払ったとしても、必要経費にすることは原則できません。ただし、以下の要件を満たしていれば参入することができます。
●届出書を提出していること
算入しようとする年の3月15日までに届出が必要。
●事業に専従していること
その年を通じて6カ月を超える期間、事業に従事している必要があります。
●労務の対価として相当であること
支払う金額が、仕事内容・性質・提供の程度に見合っているか。
この特例を、「青色事業専従者給与」と呼びます。
2.配偶者控除
控除を受けようとする配偶者の合計所得金額が、38万円以下である場合に適用される控除
3.配偶者特別控除
控除を受けようとする配偶者の年間の合計所得金額が38万1円から76万円未満の配偶者については、配偶者特別控除の対象となります。
4.扶養控除
納税者と生計を共にする親族を扶養する場合、所得を控除する制度。2.の配偶者控除と同様、合計所得金額が38万円以下であることが要件となります。また、結婚すると、適用されるのは配偶者(特別)控除となります。
青色事業専従者給与は「支払い」、他は「控除」
この4つのうち、1の青色事業専従者給与のみ「支払い」で、他の3つは「控除」である点に注目してください。
これはつまり、青色事業専従者給与は必要経費の扱いとなり、実際に給与を支払う必要が出てくるということです。逆に他の3つは、実際に給与を支払う必要がありません。
似て非なる対照的な制度ではありますが、青色事業専従者給与の届出を行い支給してしまうと、配偶者控除や扶養控除は受けられなくなってしまいます。この点には重々お気をつけ下さい。(※同様に、扶養控除と配偶者(特別)控除も同時に受けることはできません。)
青色事業専従者給与と配偶者控除、どっちがオトク?
さて、個人事業主として気になるのは、青色事業専従者給与と配偶者(特別)控除、どちらを適用すれば得するのかということ。
先ほども述べた通り、
青色事業専従者給与は「必要経費を増加させる」仕組み。
配偶者(特別)控除は「所得控除を増加させる」仕組み。
いずれにしても課税所得額が減るため、節税につながっているというロジックです。
配偶者控除額38万円の所得控除増加で済む節税額であれば、青色事業専従者給与を活用した方がいいでしょう。
しかし、例えば青色事業専従者給与として年間400万円を支払ったとすると、配偶者側から見れば給与支払いを受けていることになりますので、逆に税負担が生じる可能性が出てきます。
ややこしいですが、その際に103万円以下の支給であれば所得税を課税されることはなく、100万円以下であれば住民税も免除されます(*)。逆に130万円以上の場合、自分で年金や健康保険料を払うことになり、141万円以上の場合、配偶者(特別)控除すらも適用されなくなります。
つまり、メリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
<青色事業専従者給与>
メリット:専従者に支給した額だけ、所得の圧縮が可能となる。
デメリット:所得圧縮のため専従者に多くの額を支給すると、専従者に税金支払いの負担が生じる可能性が出てくる。
⇒専従者は受けた支払いの分だけ税金を支払わなければならなくなりますが、仮に年間38万円を超える給料を支払う場合は、所得税を払ったとしても、住民税を払ったとしても、青色専従者給与のほうがおトクです。
<配偶者(特別)控除>
メリット:控除制度なので、配偶者は税負担を気にしなくて済む。
デメリット:配偶者控除で38万円の所得控除が発生するだけ(配偶者特別控除の場合は、所得額によって控除額が変動)で、節税できる規模としてはかなり小さい。
⇒配偶者の税負担がないためローリスクですが、そもそもの節税レベルは低いと言えます。
あなたの事業にはどちらの制度が有効でしょうか? ぜひ一度検討してみてください。
(*)東京都23区の場合(2015年9月現在)(編集部注)
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