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BFI 安田佳生氏「私、もう一度社長になりました。」

当時では画期的だった中小企業への新卒採用支援を行い、一時は就職人気ランキング最高17位となったワイキューブ。同社の社長だった安田佳生氏も『採用の超プロが教える できる人できない人』(サンマーク出版)、『千円札は拾うな。』(同)など数々のベストセラーを執筆し、人材業界では知らぬ人はいないほどの知名度だった。そんな同社が40億の負債を抱え倒産したのは、東日本大震災直後の2011年3月。それから4年。安田氏が新たに取り組む“ゲリラブランディング”と、ワイキューブ倒産から今日までを聞いた。

お知らせ

2022年(令和4年)分の所得税の確定申告の申告期間は、2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)です。最新版の確定申告の変更点は「2023年(2022年分)確定申告の変更点! 個人事業主と副業で注目すべきポイントとは?」を参考にしてみてください!

BFIでは中小企業のブランディングに特化。社員は「採用しない・育成しない・管理しない」

――現在、代表を務めるブランドファーマーズインク(BFI)について教えてください。

中小企業に特化したブランディング会社です。中小企業には大手のような広告な予算はありません。費用は極力かけず、ちょっとした”違和感”が口コミで広がるような”ゲリラブランディング”を仕掛けています。

ちょっとした”違和感”は、例えばBFIでいえば、その略称が「FBI」っぽい。それであれば徹底的に似せてしまおうと、全員の名刺をFBIと同じモノクロのダークスーツで、顔は無表情で作りました。通常、名刺に顔写真を入れるなら、ほとんどがカラーで笑顔ですよね。そこで「おやっ?」と思うのが”違和感”なんです。

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「FBI」をモチーフにしたBFIの名刺

クライアントとは、まず経営者から2~3時間ヒアリングを行います。「クライアントの強みは何か。ターゲットは誰か。どんな価値を求められているのか」そういったことを言語化しながら、すり合わせをしていきます。自社の強みや魅力を把握していない企業は、意外に多いんです。まずはそれを明確に言語化し、さらに伝わりやすい言葉、絵、動画、音楽などに変換して伝えていきます。いきなり社外に発信するのではなく、まずは社内にそのビジョンを浸透させます。いきなり社外に発信してもだめなんです。

――大手企業でも、口コミを使用したブランディングやマーケティングに注力をしている時代。なぜあえて、中小企業に特化を?

単純に「中小企業が好きだから」というのもあります。大企業がどんどん国際企業になっていく中で、その下請けで生きていける時代ではない。でも、長年下請けとしてやっていると、直接ユーザーである一般のお客さまの方を向いて情報を発信することを忘れてしまうんです。

中小企業であれば、例えば日本人の0.1%に熱烈なファンがいれば十分食べていける場合もあります。そのターゲットがどこにいるかを考えて、その人たちの目につくようなブランディングを仕掛けるのが、私たちの事業です。企業ブランディングだけでなく、新規事業の立ち上げとブランディングを同時に行うケースもあります。

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――社員を「採用しない・育成しない・管理しない」と方針にありますが、なぜですか?

「採用・育成・管理」は、これからの時代にはそぐわないと考えています。ひとつの会社の中だけでしか通用しない能力では、会社がなくなったときに他の会社で通用しない人間になってしまう。それに、組織では個人の得意分野が伸びにくい。

例えば、人事部内で「ロジカルシンキングを人に教えるのが得意」な人は、会社勤めだとそれ以外にも人事評価や採用業務などの業務もやらなくてはいけない。フリーとなって複数の企業に研修を行うほうが、スキルも極められるし収入も増えます。

BFIは、現在17名のうち正社員は2名のみです。他のメンバーは業務委託契約。メンバーには他の会社で社長をやっている人、以前ワイキューブで働いていた人、地方で正社員として働きながら、勤務先承諾のもと当社で副業として働いている人、主婦などがいます。
個々人が「雇われて言われたことだけをやる」のではなく、主体的に「稼ぐためにどうすればいいか」を考え行動したほうが、売上は絶対伸びると考えています。

「育てない」とは言えメンバーから何か相談があれば、もちろん話し合います。ただ、特別な社員研修プログラムは何も用意していません。就業時間も個々人に任せています。

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――今後、BFI、そして安田さんが目指す道は?

新しい会社形態を作り、世に広めたいです。資本主義で「出資した人間が、働いてもいないのに利益を一番多く取っていく」という仕組みはどうも納得がいかないんです。BFIも株式会社ですが、株式による権利収入はありません。あくまで稼いだ利益を公平に分配していきたい。

もう一つは、組織が強くて働くのが楽しい中小企業を1社でも多く増やすことです。会社に行くことが楽しくて、そこで働くことが楽しい状態。会社のビジョンと自分がやりたいことが重なっていて、働く社員同士がお互いにリスペクトしている。飛びぬけて儲かってなくてもいいんです。平均より少し上の給与をみんながもらえる。そんな中小企業がどんどん増えたらとてもすばらしいと思います。

そもそも「仕事」って楽しいことのはずなんです。自分の得意分野で人の役に立ち、苦手分野は人にサポートしてもらうものだった。それが、会社組織ができ「お金を稼ぐこと」が目標になってしまってから、仕事がつまらないものになってしまった。それを元に戻すチャレンジです。

安田佳生 やすだよしお

安田佳生

1965年大阪府生まれ。株式会社ワイキューブ元社長。斬新な人材コンサルティング事業で一世を風靡するも、2011年に40億円の負債を抱えて民事再生。自己破産。著書「私、社長ではなくなりました」で二度と社長はやらないことを宣言し、経営の舞台から退場する。境目研究家を名乗り、講演活動やコラムの執筆、ポッドキャスト番組の配信を行う。NPO法人中小企業共和国を立ち上げ、初代総裁を名乗る。いくつかの会社にて顧問・非常勤役員を務めた後、2014年10月、約束を反古にして社長に復帰。BFI代表取締役となる。著書に『千円札は拾うな』『私、社長ではなくなりました』『疑問論』など。

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