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【2015年税制改正】スキャナ保存制度で確定申告のやり方も変わる!?

仕事が忙しくなればなるほど、山積みになっていく領収書や請求書、納品書など…。「紙で保存せずに画像保存できればいいのになぁ……」と考える方は、意外と多いのではないでしょうか。2015年度税制改正された「スキャナ保存制度」が、こんな悩みを解決してくれる制度になるかもしれません。まずは、制度の内容と個人事業主やフリーランスでも使える制度なのかを調べてみました。

スキャナ保存について、最新の記事はこちらをご覧ください。
電子帳簿保存法とは?電子データ保存とスキャナ保存の違い、申請書の書き方と申請方法を税理士がわかりやすく解説!

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

POINT
  • スキャン画像の保存ができるのは、全ての国税関係書類
  • 新制度の適用は、2016年(平成28年)1月1日から
  • 「スキャナ保存制度」を利用するには、申請が必要

スキャナ保存制度の概要

「スキャナ保存制度」とは、領収書や請求書、納品書、契約書など(以下、「国税関係書類」)をスキャナで取り込み、電子データとして保存できる制度のことです。従来の制度では、3万円を超える領収書や請求書は、電子保存できませんでした。今回の改正により、その金額制限がなくなり、全ての国税関係書類が電子データの保存ができるようになったのです。
また、従来は、画像の信ぴょう性を担保するため、電子証明書とタイムスタンプ(*)の両方が必要でしたが、これも今回の税制改正により、タイムスタンプのみでOKと変更されています。

(*)電子データが「いつから存在し、その内容が現在まで全く変更されていない」ことを表す電子的な証明書(編集部注)

「スキャナ保存制度」が改正されたからと言って、誰もが勝手に電子データを保存し、紙の書類を廃棄できるわけではありません。この制度を利用したい場合は、利用を開始したい日の3か月前までに「国税関係書類の電子的記録によるスキャナ保存の承認申請書(以下「承認申請書」)」を所轄の税務署へ提出する必要があります。

新制度の申請の受け付け開始は、2015年(平成27年)9月30日から。仮に、2016年(平成28年)1月1日から「スキャナ保存制度」を利用したいと思った場合は、3か月前の2015年(平成27年)9月30日に「承認申請書」を提出しなければならないのです。そう、受付開始日です…。

「スキャナ保存制度」を利用するために最低限必要なこと

従来の制度より格段に使いやすくなったものの、越えなければならないハードルがいくつかあります。

    1. タイムスタンプの費用がかかる

「スキャナ保存制度」に対応するためには、タイムスタンプのシステムを導入しなければなりません。登録費用や月額利用料など、最低でも年10万円ぐらいのランニングコストがかかるため、使用量を盾に値引き交渉ができない個人事業主やフリーランスにとっては、コストを支払えるかどうかがポイントになりそうです。

    1. 管理体制をしっかりしなければならない

「スキャナ保存制度」を利用するためには、電子データの確認・改ざん防止施策・日々の運用方法などを記載した「規程」を作らなければなりません。また、「規程」に沿った運用も必要となります。「規程」通りに運用していくこと、これが一番のハードルになりそうです。

    1. 電子データの履歴管理

取り込んだ電子データを削除したり修正したり、画像に追記したりした場合は、その履歴をシステム管理しなければなりません。「タイムスタンプを付した画像を間違えていたので、削除しょう…」なんてことは、勝手にできないシステムが必要になります。

個人事業主・フリーランスでも使えるものか?

「規程」に関しては、守れないルールを記載する必要はありません。顧問税理士がいる場合は、まずは相談してみましょう。「規程」の作成だけでなく、毎月の往査時に画像確認をしてもらえる可能性もあります。顧問税理士のいない場合は、「規程」をご自身で作ることになります。新たに作ってもよいでしょうか、ネット上に山ほどある経理規程から自分に合ったものを探し、電子データの確認・改ざん防止施策・日々の運用方法など追加しましょう。

「タイムスタンプ」や「履歴管理」については、手作業で対応することはできません。どうしてもシステムを導入する必要があります。システムの導入費用の月々のランニングコストが、今までの労働力・保管料などと比べ、割安かどうかは必ず確認しておきましょう。システムの運用費は経費に、システム購入費用は固定資産(*)に計上し、毎年減価償却していくこととなります。

(*)青色申告者の場合で購入費用が30万円未満のとき、購入時に全額費用になります。(編集部注)

まとめ

確かに使いやすくなった「スキャナ保存制度」ですが、やはり個人事業主・フリーランスの皆さんにとっては、敷居が高いのが実情です。ただ、システムの構築費用、タイムスタンプの運用費負担が軽減されれば、画期的な経理処理に結び付く可能性を秘めた「スキャナ保存制度」だけに、爆発的な展開になるかもしれません。

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個人事業主やフリーランスが利用する申告ソフト、「やよいの青色申告」で有名な弥生株式会社では、「スキャナ保存制度に対応する」ことを発表しました。
近日、弥生株式会社の岡本社長に、「弥生のスキャナ保存制度」について直撃取材してきます。ご期待ください。(スモビバ!編集部)

photo:Thinkstock / Getty Images

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