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店舗経営エキスパート税理士にズバリ聞いた!店舗経営「成功の秘訣」売上管理編

こんにちは。フリーライターの岸田です。もしお店を開くとしたら、鮎ダシ雑炊の専門店がいいかなと妄想しています。雑炊以外は乾きものとお酒だけのメニューにして、油を一切使わないのがポイントです。意外と流行るのでは? さてさて、前回の店舗経営エキスパート税理士にズバリ聞いた!店舗経営「成功の秘訣」起業編に引き続き、店舗経営専門税理士の伊藤達仁先生にお話を伺います。今回は実際にお店を始めてから注意することについて聞いてきました。

売上目標は立てるべき?

岸田 お店だけじゃないですけど、商売を始めるときにはまず売上目標が必要ですよね?

伊藤 これを気にしないと、本当にどうでもよくなっちゃいますよね。人間、何か目標がないと進んでいかないですよね。

岸田 目標があると、そこを目指して頑張れるみたいな。

伊藤 ありますよね。で、その気持が絶対にスタッフにも伝わるので、今日売上が上がらなくてもいいか、掃除しなくてもいいか、と悪い方にいっちゃいますよね。何らかの目標がある方が店は引き締まると思います。

岸田 目標の設定は客単価かける来客数、みたいな感じですかね。

伊藤 基本はそうでしょうね。あとはもう少し細かく、このメニューをもっと売ろうとか。

岸田 メニューごとの目標ですね。

伊藤 当然、メニューによっても利益が取れるものと取れないものがあるので、このメニューでは赤字だけれども、別のメニューでしっかり利益を取ろう、みたいなこともありますよね。

岸田 売上目標といっても、いまの売上をいきなり倍にしようとしてなかなか難しいですよね。

伊藤 売上を倍にする目標を立ててもいいのでしょうけれど、変動費、固定費がいくらになるのかについてもシミュレーションをする必要がありますね。

岸田 ラーメン屋さんなんかだと、麺何百食しか用意しませんとか、スープがなくなったら閉店です、みたいな店もあったりしますね。

伊藤 そういうのもいいでしょうね。ダラダラとやって人件費がかかっても、もったいないですからね。

岸田 一日分の売上が確保できれば十分だと。

伊藤 先週、徳島県のうどん屋さんに行ったのですけれど、朝早くからお店を始めて、午後2時でスパっと閉店するお店がありましたね。一日の売上がこれだけあればいい、というのが計算されているのでしょうね。

岸田 午後2時で仕事が終わるのはいいですね。

伊藤 お店を始める前の話になりますけど、ラーメン屋さんで席を17席にしようか18席にしようか、18席だとスタッフが2人必要だけど、17席までなら1人でも大丈夫とか、そういうことを真剣にシミュレーションする方もいらっしゃいます。

岸田 すごく緻密ですね。

伊藤 そういう意味で、固定費や人件費がちゃんと考えられているのか、というのも含めて売上目標も立てたほうがいいのかなと。

毎日の売上管理をスムーズにするには?

岸田 お店を始めると、まずは売上をしっかり管理しないといけませんよね。

伊藤 レジを締めた後に現金を数えると思うんですよ。この現金の管理が基本ですね。

岸田 レジの現金って、銀行の夜間金庫に入れるイメージがあるんですけど。

伊藤 そうですね、ある程度貯めて一週間ごとに銀行に入れる方もいらっしゃいます。

岸田 なるほど。いずれにしても自分で持っているよりは、早めに銀行などに移したほうがいいですよね。

伊藤 もちろん。一番事故があるのが現金なので。

岸田 現金を扱っていれば、レジを打っているときにその場で欲しくなっちゃう人も……。

伊藤 いますね。単純な釣り銭間違いもありますが、中にはわざとお釣りを間違っちゃう人もいますしね。スタッフがレジを打つ場合は、ちゃんと見られているんだ、現金はしっかり管理されているんだ、という雰囲気とルールがないとダメですね。

岸田 有効な対策はありますか?

伊藤 飲食の場合、ランチ営業しているところはランチタイムが終わって一度レジを締めて、夜も締めて、とこまめに管理することですね。

岸田 2回締めるってことですか。

伊藤 ランチから夜までずっとやっているところは、3回締めるところもあります。

岸田 3回も!

伊藤 この管理体制がお店全体に行き渡るんですよ。ゴミが落ちていたら拾おうとか、背筋を伸ばして店内を見渡そうとか。

岸田 レジの締めの時は、売上日報のような表を出したりするんですか。

伊藤 そうですね。そうするとランチの売上金額、ティータイムの売上金額、ディナータイムの売上金額、それぞれの売上数字を把握できるんですよね。

岸田 なるほど。

伊藤 現金の管理をしながら、頭に数字が入ってくるので、昨日はどうだった、今日はどうだった、明日はどうかな、みたいなことを考えるようになるので、数字の感覚が磨かれますよね。

岸田 ランチタイムだけで昨日との比較ができたりするわけですね。

伊藤 昨日と売上が違うのは、今日が雨だからなのか、曜日のせいなのか、近くでなにかイベントあったからなのか、そういうことも考えるので、日々センスがアップしますね。

電子マネーやクレジットカード支払いを導入する?

岸田 電子マネーを使えるところも増えていますけど、お店は電子マネーの会社にも手数料を支払うのですか?

伊藤 そうです。

岸田 それじゃあ現金でもらうよりは損してるわけですね。

伊藤 なおかつ資金繰りにも影響します。手数料の料率と入金サイクルはしっかりと確認しないといけないですね。

岸田 最近は電子マネーが使えるところでは積極的に利用してたんですけど、お店の側からすると「現金よりも損」という感覚になるんですかね。

伊藤 「手数料がかかるなあ」というのはありますけど、もうひとつ考え方があって、電子マネーが使えなかったら、このお客さんは来てくれなかったかもしれないと。

岸田 なるほど。手数料はどのくらいですか?

伊藤 業種にもよりますが、クレジットカード、電子マネーともに3%から7%くらいですかね。

岸田 7%は大きいですね。

経営者は数字から逃げるわけにはいかない

岸田 その後、数字を会計ソフトに入れるときは、お店の方が入力するんですか。

伊藤 お店で入力する方もいますし、必要な資料をお預かりして弊所で入力するパターンもあります。

岸田 最近ではレジと連動して、レジを締めたら会計ソフトに数字が送り込まれるみたいなこともできますよね。たとえば、やよいの青色申告オンラインでは、「Airレジ」や「スマレジ」というタブレットPOSの売上をそのまま取り込めますよね。

伊藤 はい、便利になりましたね。

岸田 他にも経理を楽にする方法というのはあるのでしょうか?

伊藤 経営者が自分の負担を減らすという意味では、会計事務所に経理業務を委託するという方法もあります。

岸田 プロに任せられるものは任せるという話ですね。

伊藤 いずれにしろ、経営者が自分でしっかりと数字を把握しないといけないですね。経営のプロになるのに資格は要らないけれども、経営者になったら、それはもう経営のプロでなければいけないのです。

岸田 商売をしているわけですからね。

伊藤 経営のプロだったら、数字を見ることは避けて通れません。ボランティアではなく利益を出すために事業をしているのですから。経営するのであれば「数字ありき」なんですよね。貸借対照表、損益計算書、そんなの知りたくもないとは思うのですが、これらは経営のコックピットの計器盤なのです。経営者は日々の数字から逃げるわけにいかないのです。

そのためには会計ソフトを利用したりして数字を見ることが大切ですね。自分でできないところは専門家に協力してもらって、効率良く商売をしていくのが良いでしょう。

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伊藤達仁いとう たつひと

伊藤達仁

南青山会計STUDIO 所長 税理士
「法人税法」「相続税法」「所得税法」の国税3法税理士で、フランチャイズ等の店舗経営を得意分野としている。大手税理士法人にて大手通信会社の株式上場業務、プライベートバンク室での税務相談、フランチャイズビジネスの会計・税務業務に従事した後、2002年4月に独立開業。わかりやすいと評判の会計・税務セミナーも多数開催している。おもな著書に「新版よくわかる!フランチャイズ入門」(同友館共著)「フランチャイズ本部構築ガイドブック」(同友館共著)など。

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