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課税事業者になった個人事業主の消費税はどう記帳すればいい?

個人事業主でも売上次第では、消費税を支払う必要がある課税事業者になることがあります。(前回の記事参照)ということは、今は該当しない人でも、事業が軌道に乗って売上が増えれば、消費税を支払わなければならなくなるということです。しかし、消費税はどのように記帳すればよいのでしょうか。方法は一つではないので、解説していきましょう。

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

POINT
  • 税込経理方式はシンプルに記帳が可能
  • 税抜経理方式は正確に財務状況を把握
  • 簡易課税制度は「みなし仕入率」で簡単に

シンプルに記帳できる「税込経理方式」

消費税をどのように記帳していくのか。そのやり方は2つあります。税込経理方式と税抜経理方式です。

税込経理方式は、その名の通り、消費税を含めた額で売上や仕入を計算します。例えば、あなたが小売店として、税抜き6,000円で仕入れてきた商品を、お客さんに税抜き8,000円で売るとしましょう。

あなたは6,000円に消費税の480円を加えた6,480円を仕入先に支払います。以下のように記載します。

借方 貸方
仕入高 6,480円 現金 6,480円

そして、8,000円に消費税の640円を加えた8,640円でお客さんに売ると、税込経理方式では、以下のようになります。

借方 貸方
現金 8,640円 売上高 8,640円

つまり、税込方式の場合は、売上、仕入ともに税込みの金額で表示されます。仕訳としては、納めた消費税額を計算して「租税公課」として計上することになります。

ちなみに、課税売上高よりも課税仕入高のほうが多いなど、消費税が還付となる場合は「雑収入」となります。

税込経理方式のメリットは、とにかく簡単なことです。ただ、その代わりに、事業の損益が消費税に左右されるというデメリットがあります。正確な財務状況を把握して、分析したい場合には、もう一つの「税抜経理方式」がよいでしょう。

「税抜経理方式」は正確に分析可能

税抜経理方式では、消費税を区別して計上します。勘定科目は、売上に関わる消費税については「仮受消費税等」、仕入れなどに関わる消費税については「仮払消費税等」になります。

上記と同じシチュエーションで考えると、仕入れ時には下記のようになります。

借方 貸方
仕入高 6,000円 現金 6,480円
仮払消費税等 480円

「貸方」は同じですが、「借方」のほうで消費税が区別されて記載されていますよね。売上時には、こうなります。

借方 貸方
現金 8,640円 売上高 8,000円
仮受消費税等 640円

税込経理方式と比べてやや煩雑な分、消費税の額は明確になりますよね。

仕訳としては、納付する場合は仮受消費税等から仮払消費税等を引いた額を「未払消費税等」として計上します。逆に、還付では仮払消費税等から仮受消費税等を引いた額を「未収消費税等」として計上することになります。

2つの方式について理解したうえで、どちらか選ぶとよいでしょう。

「簡易課税制度」について

消費税の仕訳方法については分かっていただけたかと思いますが、ややこしいのは、消費税の納付額の算出です。一方では消費税を支払い、また、一方では消費税を受け取るために、下記のような算式で出すことになります。

《納付税額 = 売上高×8% - 仕入×8%》

しかし、いちいち面倒くさいという人にとってオススメが「簡易課税制度」です。

《納付税額 = 売上高×8% - 売上高×8%×みなし仕入率》

これならば、売上高だけから納付税額を計算することができます。

「みなし仕入率」については、仕入高の売上高に通常占める割合を勘案して定められているもので、事業の種類によって異なります。卸売業、小売業、製造業等、金融業及び保険業、不動産業、飲食店業及びその他の事業の6つに区分して、みなし仕入率が適用されることになります。

具体的には、卸売業の場合は90%、小売業の場合は80%、製造業の場合は70%、金融業及び保険業は50%、不動産業は40%、飲食店業及びその他の事業は60%といった具合です。もし、2種類以上の事業を営む場合は、課税売上を事業の種類ごとに区分することになります。

簡易課税制度を選択するには、以下の2つの条件があります。

  • 課税期間の前々年または前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下であること
  • 簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出していること

ただし、一度「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すると、原則として、2年間は簡易課税制度をとりやめることはできないので、注意しましょう。

やや複雑な消費税の処理ですが、基本的な仕組みを押さえていれば、意外とスムーズに理解できるはず。課税事業者に該当するかしないかに関わらず、税の仕組みを知るためにも、事業を行う人は頭に入れておきましょう。

photo:Thinkstock / Getty Images

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