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確定申告が終わったらやっておきたい、損益計算書を使った「経営分析」

個人事業主・フリーランスのみなさんが作成する所得税の確定申告書には、必ず「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」というものが付いています。せっかく作った損益計算書をそのままファイリングしてしまってはもったいない。みなさんの事業が成功するためにも、この機会に経営分析をしてみませんか?

お知らせ

※2022年(令和4年)度の雇用保険は、2段階更新です。詳細は、「【2022年度の雇用保険は2段階更新!】労働保険とは?制度と年度更新について解説」を参照ください。

  • 損益計算書は事業の「健康診断書」
  • ちょっとしたコツで、個人事業主の利益を法人と比較できる
  • はじめての経営分析は、前年比較と他社比較

個人事業主・フリーランスの経営分析

経営分析というとなんだか難しい感じがしますが、かんたんに言えば事業の「健康診断」をすること。みなさんも年1回「健康診断」をされた方がいいように、事業も年1回ぐらいは「健康診断」をしてあげたいものですね。いざ、経営分析を行いたくても、様々な方法があるので、どれがいいのか分からないのも事実です。はじめておこなう経営分析は、損益計算書を使った方法がオススメです。

損益計算書とは、事業のもうけを示す「健康診断書」のようなもので、青色申告決算書の1ページ目に記載された表です。この表を見ることで、1年間にいくらの売り上げがあったのか、どのような費用をいくら使ったのかが分かります。

さらに、経営者の多くは、「どのくらいの利益が出ているのか」「どれだけの費用を使っているのか」といった肌感覚を持ち合わせています。その肌感覚が、経営分析には必要不可欠になるのです。だからこそ、損益計算書を使った経営分析が一番オススメです。

新たな年が始まったばかりで、手元に作成したての損益計算書もある今が、そのチャンスではないでしょうか。

様々な利益の把握方法

青色申告決算書の1ページ目、損益計算書の(7)の金額、これが世にいう粗利(売上総利益)と言われる利益。製品自体の収益力を示しています。

ただ、フリーランスの大多数は、売上原価にあたる費用(仕入金額)が無いのも事実ですが、一度決算書の数字は確認しておきましょう。そして、(6)を(1)で割って100を乗じたものが、売上に対する仕入代金の割合を表しています。これは原価率とも言われ、他の企業と比べるときに役立つ割合なので、ぜひ算出してみたいです。

式 : 売上原価(6) ÷ 売上高(1) × 100 = 原価率

続いて、(33)の数字が、法人でいう「営業利益」(*)にあたります。営業利益とは、本業のもうけが分かる数値です。個人事業主・フリーランスの場合、事業主の給与が売上から差し引かれていないため。この数値だけだと法人と比較することが難しいです。
※(43)が「営業利益」とする場合もある。(編集部注)

ある金融機関のセミナーに参加した際、「個人事業主は、青色申告決算書の(33)から生活費を差し引いてどのくらいの利益が出ているか把握する。これを営業利益と仮定して、返済できるかを考える」と説明されていました。この(33)から生活費を差し引いて、法人と比較してみましょう。

最後に、(43)の数値から住民税・健康保険料および生活費を差し引いた金額が、法人でいう純利益(もうけ)にあたります。実際の住民税や健康保険料は、確定申告後に数値が確定するため、前年の実績値を差し引くか、スモビバ!のかんたん税金計算を使って、おおよその住民税と健康保険料を算出し、その金額を差し引いて利益を計算してみましょう。

やっておきたい経営分析

さて、決算書に記載された数値や算出した利益を使って行う経営分析のスタートは、プラスなのか、マイナスなのかを確認することです。当たり前の様ですが、ここからスタートしないと始まりません。

そもそも利益がマイナスになっているということは、過去の貯金を食いつぶして事業を行っている可能性もあります。取引先の1つの入金が、たまたまずれ込んだだけで、資金不足になる可能性もあるため、新たな借り入れの実施や、コスト削減などの対策をする必要が発生します。

次に、この1年間の状況を把握するためにも、前年の損益計算書と比較してみましょう。令和2年(2020年)と令和3年(2021年)の損益計算書を比べることで「売上や費用の増加額」が確認できます。それに加え「○○費がかさんだ理由」を確認することで、令和3年(2021年)におこったことがわかり、何を見直す必要があるのか、力を入れる箇所はどこかが見えてきます。さらに、資金不足の対策も講じられますね。

最後に、「開業計画NAVI」の開業レポートに記載された数値と、損益計算書を比べてみるのをオススメします。「開業計画NAVI」は、起業家2687名のデータを12業種に分けて、それぞれの事業の平均年間売上高や平均営業利益、平均運転資金、売上に対する費用の構成などを把握できます。とてもかんたんに他社と比較ができ、優れている点や劣っている点を見つけることができます。「開業計画NAVI」には、事業成功のポイントもコメントされているので、参考になりますね。

まとめ

事業を成長させる出発点は、「何としても事業を成功させたい」という強い想いを持ち続ける事です。そのためにも、前年を振り返ることも必要ではないでしょうか。作成した損益計算書を使って健康診断をしてみてください。みなさんの事業成長に少しでもお役立てたら幸いです。

photo:Thinkstock / Getty Images

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