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アマルゴン 宮崎綾子氏 「ひとり編プロ」を成功に導く心得とは?

例えば1冊の本を出版するとき、その本には著者のほかに「編集者」の力が介在している。
企画立案の次の段階には、スタッフ調達、原稿チェック、デザインの決定、文字校正、印刷時の色校正のチェックなど、たくさんの業務がある。フリーランス編集者・宮崎綾子さんがかつて在籍した「編集プロダクション」(通称・編プロ)は、出版社や企業PR誌の発行元からの注文を受け、本づくりに必要な編集制作の仕事を一手に背負う、プロの集団。2009年にそこから羽ばたき、現在は「ひとり編プロ」を標榜しながら活動する宮崎さんに、仕事にかける思いをうかがった。

編集者の醍醐味は、興味を仕事にできること

企画立案の面では、意外なところから本の企画が進んでいく楽しさもある。
最近はこれまで得意としてきたIT系の実用書以外に、さまざまテーマも企画している。例えば2013年に発売された『ねこてそ』(ぴあ、暁・著)は、猫の肉球から猫の性格を解説するというユニークな企画。「著者である占い師の方やスタッフと飲んでいて話が盛り上がり、みんなが忘れたころに企画書を書いて出版が決まった」。ほかに2014年には、電子書籍からの書籍化となる『運動指導者が断言! ダイエットは運動1割、食事9割』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、森拓郎・著)を担当し、ベストセラーになった。

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宮崎さんは開業1年目から青色申告を選択しているが「会社員時代は、給料明細の読み方もわからなかったくらい」。しかし、慣れない会計ソフトの操作に悪戦苦闘しながら、会計の基礎を覚えたことが、後に編集の仕事に還元された。2014年の春、出版社の誘いから『知識ゼロでもひとりでできる! フリーランスのためのはじめての青色申告』を上梓。監修者の解説のもと、わかりやすい言葉を使い、フリーランスの青色申告に関する事項がまとめられている。本書では、著者兼編集者として「わかりにくいものをわかりやすく、そして面白く」という編集者本来の能力も、ばっちりと発揮されている。いまは英語の勉強をしていて、そんなことをまわりに吹聴していたら、出版社から仕事の相談がきたという。

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「もともと私はオリンピックに興味がなかったけれど、2020年の東京オリンピックはすごく楽しみ。海外にいる外国人を日本に呼ぶような仕事をされている方とお会いして話をしているうちに、やってみたい企画も生まれました」

そうして堂々と関心のあることをアピールすることで「結構、仕事は来るものですよ」と宮崎さん。上司からの仕事は断れない、そんな組織内での編集業務と違い、好きなことの実現のために時間を使える。それこそが「ひとり編プロ」ならでは、の仕事の楽しみ方なのだろう。

宮崎綾子 みやざきあやこ

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1973年生まれ。和光大学人文学部芸術学科卒業。大学在学中から編集プロダクションに勤務。同社で、PCやインターネット関連の技術書籍、PC雑誌、企業PR誌、リクルート誌、ファッション、サブカルチャー誌、Webなどの企画・編集・制作に携わる。2009年からフリーランスとして活動。ひとり編プロ「アマルゴン」を運営している。2014年11月には著書『知識ゼロでもひとりでできる! フリーランスのためのはじめての青色申告』(日本実業出版社、原尚美・監修)を発表した。

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