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元・税務調査員が語る、節税対策と税理士の選び方【インタビュー】

株式会社InspireConsulting社長として、経営全般に関するコンサルティング事業を手掛ける久保憂希也氏は、元東京国税局勤務。かつては税務調査員として、医療関連や弁護士事務所、飲食店、芸能人、風俗業などの税務調査を担当したキャリアを持ち、現在は「税務調査に強い税理士」を育てるためのセミナーを精力的に行っている。そんな久保氏に、個人事業主や小規模事業者にとっては頭の痛い問題である「確定申告、節税、税理士の選び方」についてアドバイスを伺った。

もしもの緊急時にもすぐ対応してくれる税理士を選ぼう

ーーー税理士によっては、よく「今月はちょっと儲かりすぎたので、来月はいっぱい出費した方が得になるから高いものを買っちゃっていいですよ」といったアドバイスをするケースもあるようなんですが。

使ってしまった以上にお金は戻ってこないので、よほど特殊な例を除いて利益調整はあまりオススメできませんね。事務所移転や設備投資したいときにキャッシュはやっぱり必要ですから。経営に口出しする税理士は、あまり信用しない方がいいと思います。売上げを伸ばすのはあくまで経営者ですからね。

ーーー他に、税理士選びで気をつけることがあれば教えてください。

うーん、あくまで自分だったらですが、まずマンションで一人でやってるような税理士さんには頼みませんね。何かあったときにその人一人だと、病気したときや、急な税務調査が入ったとき等に対応できない場合が考えられます。それと同じ意味で大事なのが距離。なるべくならこちらの仕事場の場所と近いところに事務所を構えている税理士さんがいいですね。確定申告や税務調査などの緊急時に、税理士に相談しなくちゃいけないケースも出てくるからです。そういうときに、代わりの人間がいなかったり、電車で何時間もかかるような場所の税理士さんだったら、どうしようもない。あとは、年齢でしょうか。税理士は平均年齢60歳以上の業界なんですが、なるべくなら気軽に相談ができる自分と年齢の近い方がオススメです。

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ーーーでは最後に、いろんな企業のコンサルティング事業を手掛けている久保さんから、個人事業主や小規模事業者にタメになりそうなお金のアドバイスをお願いします。

売上げが一カ所に集中するのだけは避けた方がいいですね。極論するなら、1社から100万円もらうよりも、100社から1万円もらった方がいい。大口のクライアントからいつ切られるかわからないし、先方が倒産して回収できなくなってしまうかもしれないからです。
実は私の会社も過去に一度、売上の約8割を1社に依存していたせいで、倒産しかけたことがあるんです。その時は社員を転籍させてなんとかしのぎましたが、危なかった。それ以降、収入先はなるべく分散させておくのが最低限のリスクヘッジだと思っています。

それと好きなことを仕事にするという人も結構多いと思うのですが、私は儲かることを仕事にすることを考えました。「儲かるから仕事が面白い」っていうこともあると思うんですよね。もちろん、最初からうまくいく訳ではないと思いますが、好きなことを仕事にすると好きでいられなくなるかもしれない。だけど、儲かると仕事は面白くなってきますね。考え方次第だと思いますが、やはり、「儲ける」ことは大切です。

久保憂希也くぼゆきや

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1977年、和歌山県和歌山市生まれ。慶應義塾大学経済学部出身。東京国税局に入局し、幅広い業種の税務調査を担当。その後、一般企業の勤務を経て2008年、「株式会社InspireConsulting」を設立。経営全般に関するコンサルティング事業を手掛ける他、経営者や税理士向けのセミナーを年間50回以上開催している。座右の銘は「日々是鍛錬」。

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