起業前にチェックしておきたい!身近な「経費」

いざ、独立したら気になるのが、売上げを上げられるかどうか。しかし、それと同じくらい大切なのが、無駄な経費を抑えることです。そして、かかった経費はきちんと申告すること。どれだけ売上げを上げても、経費が上回ってしまったら、個人事業主ではすぐに立ち行かなくなってしまいます。経費削減をし、正しく申告をするためには、まず「経費」とは何か、を正しく把握することから始めてみませんか。
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2022年(令和4年)分の所得税の確定申告の申告期間は、2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)です。最新版の確定申告の変更点は「2023年(2022年分)確定申告の変更点! 個人事業主と副業で注目すべきポイントとは?」を参考にしてみてください!
目次
- POINT
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- 身近な経費の種類を把握する
- 経費の項目に迷ったときには
- 申告書を作りやすいようにレシートを保管する
削減しやすい身近な経費の種類
確定申告をする場合、事業に関するもので、税金上費用と認められるもの、それが「経費」です。一口に「経費」といってもさまざまな種類があります。ここでは、日常よく使われる経費と、その項目について改めてみていきます。自分にとって、削減しやすい経費とは何かを考えるきっかけになれば幸いです。
専用オフィスでも、自宅兼仕事場の人も必ず使うものが「水道光熱費」(水道、電気、ガスの料金など)です。仕事場と自宅が一緒の場合は、スペースに応じて、事業として使用している分を、経費として計上することができます。(これを「家事按分」といいます)お忘れなく。
次に、事業のために使った移動など、移動にかかった費用は「旅費交通費」と呼びます。会社員時代には出金伝票などに記載していたけれど、フリーランスになるとルーズになるのはこの辺りかもしれません。意外に交通費や宿泊費はかさみやすい経費です。
そして「通信費」。これもバカになりません。今やどんな業務でもインターネット接続(プロバイダ料金)や携帯電話は必須。まめに電話会社のプランの見直しをしてみてもいいかもしれません。電話代は、水道光熱費と同様に、家事按分です。ほかにも、書類の郵送費や、事業用のハガキ代、切手代などもこの通信費に含まれます。
間違えやすいのが荷物を送った場合ですが、経費上は、「通信費」ではなく、「荷造運賃」という項目に分類されます。運賃はもちろんですが、包装材料のコストもここに計上されます。ただし、件数が少ない場合は「通信費」としてしまっても可です。
仕事に必要な機材や消耗品は、すべて経費
仕事に必要な機材や消耗品は、すべて経費「消耗品費」として認められます。パソコン関連商品やオフィスの備品などですが、基本的に10万未満、もしくは、使用可能期間が1年未満のものは、消耗品になります。ただし、10万円以上になると、一定の場合を除き資産として扱われるため、減価償却費が気になるところです。
さらに、消耗品費のなかでも文房具やFAXのインクなどは「事務用品費」として扱われます。会社によっては消耗品だけで処理しているところもありますが、経費として処理でき、税金面でも同じです。経費の項目には、「これはどちらに入れたらいいの?」と迷うものがあるかもしれませんが、こういう場合は、最初に処理した科目で一貫して管理維持したほうが、数値分析・管理面でもよいでしょう。
正しい知識を把握すると同時に、どちらでもいいものに対しては、自分の事務所として覚えやすい項目に分類し、意識づけをした方がいいかもしれません。
レシートの保管方法
無駄な経費は削減しつつ、支出のなかから経費として申告できるかを確認すれば、あとは日々、領収書を集めるばかりです。しかし、レシートの保管がいい加減だと意味がありません。
私の場合は、もらった領収書はその日、財布から取り出すときに、「接待交際費」「旅費交通費」など種類別に分類して、クリップで留めておきます。もし、まとめて整理するとき、必ず日付順になるようにしています。レシートの種類ごと 袋に入れて保管するのも、便利です。ただ、計算のしやすさを考えると、1日1ページ使い、ノートに貼っていくのがよいでしょう。合計金額のところが見えるように、少しずつずらしながら、下から上へと貼っていくと計算しやすいです。
帳簿を作るもとになった領収書などは、5年ないしは7年、保管しておかなければなりません。領収書」「契約書」「請求書」「納品書」はファイルに閉じて、きっちり保管しておきましょう。
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