従業員を雇用するときに準備する必要書類
従業員を雇用するとき、会社はどんな書類を準備する必要があるのでしょうか。今回は、従業員を雇用する際に必要とされる、法律で定められている書類についてお話します。
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目次
法定3帳簿
労働基準法では、会社が従業員を雇用した場合に整備し保存することを義務付けている帳簿があります。以下の3種類ですが、これらは「法定3帳簿」とも呼ばれています。
① 労働者名簿
② 賃金台帳
③ 出勤簿
労働基準監督署が「臨検」という会社への立ち入り調査に入った場合、真っ先にチェックするのがこの法定3帳簿です。きちんと整備していない場合は処罰の対象となります。
労働者名簿
労働者名簿に記入するべき事項は以下のとおりです。
- 氏名
- 生年月日
- 履歴
- 性別
- 住所
- 従事する業務の種類
- 雇入年月日
- 退職や死亡年月日、その理由や原因
労働者名簿は、労働者の死亡・退職・解雇の日から起算して3年間保存(※)することが必要です。また、履歴書で代用することはできません。
賃金台帳
賃金台帳に記入するべき事項は以下のとおりです。
- 氏名
- 性別
- 賃金計算期間
- 労働日数
- 労働時間数
- 時間外労働、休日労働および深夜労働の時間数
- 基本給や手当等の種類と額
- 控除項目と額
賃金台帳は、最後に記入された日から3年間保存(※)することが必要です。
また、給与明細書で代用することはできません。
出勤簿等
「出勤簿」という名称については法律上の定めはありませんが、従業員の勤務について適正に把握できる帳簿の整備が必要です。これはタイムカードでも問題ありません。
出勤簿等に記入するべき事項は以下のとおりです。
- 氏名
- 出勤日
- 出勤時刻、退勤時刻、休憩時間等
出勤簿等は、最後に記入された日から3年間保存(※)することが必要です。
(※)令和2年4月1日施行の労働基準法の改正により、「賃金台帳などの記録の保存期間の延長」が行われています。賃金台帳などの記録の保存期間を5年に延長しつつ、当分の間は、これまで と同様にその期間は「3年」とされます。(2020年6月12日 執筆者宮田先生確認の上、スモビバ!編集部追記)
【参考】
厚生労働省:未払賃金が請求できる期間などが延長されます
様式のダウンロード
労働者名簿と賃金台帳の様式と記載例は以下からダウンロードすることができますのでご参照ください。
まとめ
労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等の「法定3帳簿」を整備し、保管をすることは正しい労務管理をするための基本中の基本です。従業員を雇用する際はすぐに準備をするようにしましょう。
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知っておきたい基礎知識|雇用と給与|まとめINDEX
- はじめて従業員を雇うときに知っておきたいこと
- 従業員の雇用には、どんな手続きが必要か?
- 従業員を雇用するときに準備する必要書類
- 労働保険・社会保険とは何か?
- 社会保険の手続き
- 労働保険の手続き
- 労働保険の年度更新とは
- 住民税 普通徴収と特別徴収の違いと手続き
- 標準報酬月額とはなにか? 決定のタイミングはいつ?
- 算定基礎届・月額変更届とは?
- 給与の源泉徴収と源泉所得税納付の手続き
- 賞与での社会保険の計算と手続きについて
- 年末調整とはなにか?
- 給与計算・年間スケジュール
- 給与計算のための就業規則・給与規程のポイント
- 給与計算・給与明細書の作成前に準備すること
- 給与計算での支給項目と非課税扱いになる手当
- 給与計算での「社会保険料」の計算
- 給与計算での「雇用保険料」の計算
- 給与計算での源泉所得税の計算方法
- 給与での支給額の算出方法と給与計算後の納付事務
- 「退職」とは何か? 退職の種類と手続き、規程
- 「解雇」とはなにか? 禁止事項と基本的なルール
- 「休職」とは?基本的なルールと必要な手続き
- 妊娠・出産・育児・介護に関する「休業」と必要な手続き