19.消費税の確定申告期間と納付の期限
消費税の確定申告の期間と納付の期限は、以下のとおりです。
個人事業主 | 翌年の3月31日まで |
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法人 | 課税期間の末日の翌日から2ヵ月以内 |
法人税では確定申告書の提出期限の延長の特例がありますが、消費税にはそのような延長制度はありませんので、遅れずに申告・納付するようにしましょう。
なお、課税資産の譲渡等がなく、かつ、納付すべき消費税がない場合には、確定申告書を提出する必要はありません。
ただし、確定申告書の提出義務のない課税事業者であっても、消費税の還付を受けられる場合には、還付を受けるための申告書を提出することができます(※免税事業者の場合は還付を受けることはできません。詳細は18.消費税における各種届出書と提出期限を参照)。
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目次
中間申告
消費税は事業者が負担するのではなく、消費者が負担する税金を預かっているにすぎません。
そのため、なるべく早く納付されることが望ましいとされ、直前の課税期間の消費税額に応じて課税期間の途中においても中間申告の義務が課されます。
つまり、確定申告において納付すべき消費税額は、確定申告書の差引税額から中間納付額を控除した金額ということになります。
必要な中間申告の回数等は以下の表を確認してください。
直前の課税期間の確定消費税額 | 48万円以下 | 48万円超~ 400万円以下 |
400万円超~ 4,800万円以下 |
4,800万円超 |
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中間申告の回数※ | 中間申告は不要 | 年1回 | 年3回 | 年11回 |
中間申告・納付期限 | 各中間申告の対象期間の末日の翌日から2ヵ月以内 | ・最初の1ヶ月分→課税期間開始の日から2ヵ月を経過した日から2ヵ月以内 ・その他の10ヶ月分→中間申告対象期間の末日の翌日から2ヵ月以内 |
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中間納付額 | 直前の課税期間の確定消費税額の1/2 | 直前の課税期間の確定消費税額の1/4 | 直前の課税期間の確定消費税額の1/12 |
※ その他に、確定申告が1回必要
なお、各中間申告対象期間について仮決算をすることで、計算した消費税額により中間申告・納付をすることができます。
業績が悪化し、直前の課税期間の確定消費税額を基礎とすると中間納付額が多額になりすぎる場合などは、仮決算をすることをおすすめします。
任意の中間申告制度
先程の表において、直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下の場合、中間申告は不要となっていますが、任意に中間申告(年1回)をすることも可能です。
任意に中間申告をしようとする場合、任意に中間申告書を提出する旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
この届出書を提出した日以後に末日が到来する、最初の年1回の中間申告の対象となる期間から、中間申告・納付をすることができます。
また、任意で中間申告する場合であっても、仮決算を行って消費税の中間申告・納付をすることは可能です。
なお、この届出書を提出したにもかかわらず中間申告をしなかった場合、自動的に任意の中間申告を取りやめたものとみなされます。
知っておきたい基礎知識|消費税|まとめINDEX
- ~はじめに~ 知っておきたい基礎知識:消費税
- 01.消費税の仕組み
- 02.消費税の課税対象となる取引・対象とならない取引
- 03.消費税の申告・納税が課される事業者と、免税される事業者とは?
- 04.消費税の納付額の計算方法と課税形式
- 05.消費税の納付額の計算方法 〜簡易課税の計算〜
- 06.消費税の対象となる取引と「非課税取引」「不課税取引」の違い
- 07.消費税の非課税取引の仕組み
- 08.消費税における輸出免税取引の仕組み
- 09.消費税における会計処理(税込経理方式、税抜経理方式)の違い
- 10.消費税における課税売上割合と課税売上割合に準ずる割合
- 11.消費税計算で仕入税額控除のできる取引・できない取引
- 12.消費税における仕入控除税額の計算方法の決め方
- 13.消費税における仕入控除税額の控除時期と計算方法
- 14.消費税計算での対価の返還と貸倒れの場合の処理
- 15.消費税における個別対応方式の計算方法
- 16.消費税における一括比例配分方式の計算方法
- 17.消費税の簡易課税の仕組みとみなし仕入率
- 18.消費税における各種届出書と提出期限
- 19.消費税の確定申告期間と納付の期限
- 20.消費税の軽減税率制度の仕組みと税額計算の特例
- 21.消費税におけるインボイス制度(適格請求書保存方式)の仕組みと必要な記載事項