令和5年分の確定申告期間はいつからいつまで?期限を過ぎてしまったら?

2024/02/16更新

この記事の監修税理士法人 MIRAI合同会計事務所

個人事業主やフリーランスは、毎年1年間の所得(売上から経費を差し引いた儲け)を計算して、国(税務署)に納めるべき所得税の額を報告する「確定申告」を行わなければいけません。確定申告の提出時期は決まっているので、それに合わせて準備をする必要があります。
来たるべき申告に備えて、確定申告の提出時期の基本について紹介します。また、遅れそうな場合の対処法と、早く申告したい場合の注意点についても確認しておきましょう。

確定申告の期間はいつからいつまで?対象期間は?

確定申告で報告するのは、提出年の前年1月1日~12月31日の所得額と、そこから求められる所得税の額です。例えば、翌年の確定申告書の提出期間には、今年の1月1日~12月31日の所得を計算し、納めるべき所得税額を報告することになります。

確定申告を行う時期

確定申告書の提出期間は、毎年2月16日~3月15日までの1か月間が原則で、それぞれの日付が土曜・日曜・国民の祝日・休日にあたる場合は、翌日(または翌々日)の月曜日が期限日になります。なお、所得税の納付期間も同じく3月15日までです。
ただし、払いすぎた税金の還付を受けるための「還付申告」は例外です。この場合は、1月1日から申告が可能です。3月15日までという縛りもなく、申告可能になった日から数えて5年以内であれば、いつでも還付を受けることができます。

消費税の確定申告

開業から2年間は、消費税を納付する必要がない免税事業者になりますので、原則として消費税を納める必要はありません。
しかし、3年目以降でかつ2年前の課税売上高が1,000万円を超える人は「課税事業者」に該当し、所得税・復興特別所得税に加えて消費税・地方消費税についても確定申告と納税を行う必要があります。2年前に1,000万円の売上高がなくても、個人事業主で前年度の1月1日~6月30日の半年間に課税売上高かつ給与等支払金額のいずれもが1,000万円を超えている場合は課税事業者となります。法人の場合は1月1日からではなく、事業年度の開始月から半年間の課税売上高と給与等支払金額で判定します。
消費税の確定申告期間は原則申告期間の翌年1月1日~3月31日、納付期限は申告期間の翌年3月31日です。それぞれの期限が土曜・日曜・国民の祝日・休日にあたる場合は、翌月曜日が期限日になります。

消費税の確定申告の詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

確定申告書の提出方法

確定申告書は、直接税務署に持っていき提出するほか、インターネットでの申告(e-Tax)、郵便または信書便での郵送、税務署に設置される時間外収集箱への投函でも提出が可能です。これら3つの方法なら、税務署の窓口が閉まっているときでも提出できます。
e-Taxの場合は送信した日付、郵便または信書便の場合は郵便局で押される通信日付印の日付が提出日となります。税務署に設置されている時間外収集箱に投函した場合は、翌日の朝に税務署の職員が回収した分は前日の日付で提出された扱いになります。

毎年、確定申告の提出期限ギリギリになると、税務署の窓口は混み合います。時間に余裕を持って提出するか、e-Taxや郵送などの方法を利用するのがおすすめです。

青色申告の提出方法の詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

確定申告の提出方法は窓口持参・郵送・e-Taxの3つ!最適な方法を選ぼう

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確定申告の提出期限を過ぎたらどうなる?

確定申告書は、提出期限を過ぎてしまった場合でも受け付けてもらえますが、「期限後申告」の扱いになり、次のような不利益が発生します。

無申告加算税がかかる

期限内に確定申告を行わないと、ペナルティとして本来納めるべき税金に「無申告加算税」が上乗せされます。上乗せされる税率は、以下のように2つの段階に分けられます。

無申告加算税の税率

  • 税務署の指摘を受ける前に自主的に期限後申告した場合:5%
  • 税務署から指摘された後で期限後申告した場合:原則として納税額のうち50万円までが15%/50万円を超える部分は20%
    (なお、調査の事前通知の後に申告した場合は50万円までが10%、50万円を超える部分は15%)

仮に納税額が60万円なら、無申告加算税は上の「税務署から指摘を受ける前に申告した」場合は3万円、下の「税務署から指摘された後で申告した」場合は9万5,000円になります。ただし、次の要件をすべて満たしている場合は「期限内申告を行う意思はあった」と認められ、無申告加算税はかかりません。

無申告加算税がかからない要件

  • 申告期限後、1か月以内に自主的に申告している
  • 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること

延滞税がかかる

期限後申告の場合、上記無申告加算税の他に納税が遅れた日数分だけ「延滞税」が加算され、最高税率は年14.6%になります。計算は非常に複雑ですが、国税庁のウェブサイト 新規タブで開くでシミュレーションすることができます。

65万円の青色申告特別控除が受けられなくなる

青色申告では、最大65万円の青色申告特別控除が受けられるのが大きな魅力ですが、提出期限に遅れてしまうと、この控除額が最大10万円に減額されます。
結果として納税額が増えるだけでなく、すでに書類を作成している場合は修正する手間もかかります。

青色申告の承認が取り消しになる

2事業年度連続で期限内に確定申告書を提出しなかった場合、青色申告の承認が取り消されてしまいます。調査にあたり正当な理由なく帳簿の提示を行わない場合や、税務署の指示に従わない場合も青色申告の承認が取り消されてしまうので注意しましょう。

期限までに納税できそうにないときは?

期限内に確定申告をするときに納税が難しいと判断した場合は、その申告に延納制度を適用する旨の記載をして、一部の納税を待ってもらうことが可能です。
確定申告で報告する所得税及び復興特別所得税は、原則3月15日までに納税しなければいけません。預貯金口座から引き落とす振替納税の手続きをしている場合は、国税庁が定める振替日(例年4月20日頃)までに入金しておく必要があります。ただし、納税期日までに納めるべき税額の2分の1以上を納付すれば、残りの納付期限が国税庁の定める期限(例年5月31日頃)まで延長されます。
もっとも、延納期間中は年1.6%の割合で利子税がかかるため、その分納税額は高くなります。なお、利子税の割合は、年によって変動する可能性があります。

確定申告後に間違いに気づいて訂正したい場合

確定申告では、期間内の最後に提出した確定申告書がその年の申告書として扱われます。そのため、確定申告書を提出した後で間違いに気づき出し直したいという場合、まだ提出期間内なら、訂正した申告書をもう一度出せば問題ありません。

提出期限を過ぎてしまっている場合は、追加で申請を出す必要があります。税額を実際より多く申告していた場合は「更正の請求書」の提出を、税額を実際より少なく申告していた場合は「修正申告」を行って、確定申告の内容を修正することになります。
更正の請求書は、法定申告期限から5年以内なら提出可能です。修正申告は、税務署から更正を受けるまでのあいだならいつでも可能ですが、国税庁のウェブサイト 新規タブで開くには、「誤りに気がついたらできるだけ早く修正申告してください」と記載されています。

期限より早く申告することはできる?

確定申告の提出期間は、先にご紹介したとおり原則2月16日~3月15日ですが、(正式な手続きではありませんが)これより早く出すことも可能です。確定申告期間前でも税務署への持ち込みや郵送によって提出できますし、e-Tax上でも1月5日から申告可能です。
ただし、2月16日までは「税務署が預かっているだけ」という扱いで「受付済」にはならないため、この期間に納税しても納税証明書は発行されないことには注意が必要です。また、確定申告書に添付して提出する各種証明書(社会保険料控除の証明書、生命保険料控除の証明書など)は11月頃から順次郵送で届くことが多いため、あまりに早く申告しようとしても、これらの書類が揃っていない可能性もあります。

確定申告と提出期限が同じ関連書類

確定申告書に加え、下記の書類も確定申告期間の最終日が提出期限となっています。

所得税の青色申告承認申請書

最大65万円の特別控除が受けられる青色申告を行うためには、「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要です。申告をしようとする年の3月15日(土日・祝日の場合は翌月曜日)までに所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出し、承認を受ける必要があります。

青色事業専従者給与に関する届出書

青色申告を行う個人事業主が「事業専従者」の条件を満たす親族に支払う給与を経費に組み入れたい場合に、「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。給与の支払いを開始しようとする年の3月15日(土日・祝日の場合は翌月曜日)までに税務署に提出する必要があります。

青色事業専従者給与の届出についての詳細は、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

青色事業専従者給与の届出はどうすべき?家族への給与を経費にする方法

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確定申告は早めの提出がおすすめ

確定申告の期間は、原則2月16日~3月15日と決まっています。ただし、期間より早く提出することも可能ですし、還付申告の場合は3月15日を過ぎても問題ありません。
一方で、納めるべき税金があるにもかかわらず期限に遅れてしまうと、無申告加算税や延滞税、青色申告特別控除が最大10万円に減額されるといった大きな不利益が発生し、余計に税金を納めなくてはいけない場合もあります。
万が一にも確定申告の期間を過ぎてしまわないように、早めの書類提出を心掛けてください。

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この記事の監修税理士法人 MIRAI合同会計事務所

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