実務-9 マイナンバーの廃棄方法
監修者 : 宮田 享子(社会保険労務士)
マイナンバーを取り扱うためには、法令で定められた保存期間が過ぎた場合には、復元できない廃棄・削除の方法を決めなければなりません。
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目次
マイナンバーは事務を終えたら削除または廃棄する
マイナンバーに関係する事務を行う必要がなくなり、法令で決められている保存期間が過ぎたときには、マイナンバーをできるだけ速やかに、復元できないようにしてデータの削除や書類の廃棄をします。
書類などは、マイナンバーが読み取れないようにその部分を黒く塗りつぶすこと(マスキング)でもかまいません。
パソコンで特定個人情報ファイルを保管している場合、次回利用するまでアクセス制限して保管するという取扱いも考えられます。この場合、特定個人情報ファイル中の退職者の情報などは、マイナンバーを保管する必要性がなくなった時点で、確実に削除しなければなりません。
マイナンバーそのものや特定個人情報ファイルを削除した場合と、電子媒体などを廃棄した場合には、削除または廃棄した記録を必ず保存してください。記録項目としては、特定個人情報ファイルの種類・名称、責任者、取扱い部署、削除・廃棄の状況などです。ただし、削除したマイナンバーそのものの記録はしません。
また、これらの作業を委託する場合には、委託先が確実に削除または廃棄したことについて、証明書などで報告をしてもらい、その内容を確認する必要があります。この報告内容も保存してください。
ガイドラインの物理的安全管理措置に書かれている、廃棄などの手法の例を次に挙げます。自社の取扱規程に盛り込むことを検討してください。
- 特定個人情報が記載された書類は、焼却または溶解により、復元不可能なように廃棄する。
- 特定個人情報等が記録された機器および電子媒体は、専用のデータ削除ソフトウェアの利用または物理的な破壊により、復元が不可能となるようにして廃棄する。
- 特定個人情報ファイル中のマイナンバーや特定個人情報を削除する場合、容易に復元できないシステムとする。
- 特定個人情報を扱う情報システムでは、保存期間経過後にマイナンバーの削除を前提とした機能を盛り込む。
- マイナンバーが記載された書類等については、保存期間経過後の廃棄を前提とした手続きを規定する。
出典:「よくわかる 事業者のためのマイナンバーガイド」 監修:宮田享子(社会保険労務士)
知っておきたい基礎知識|マイナンバー|まとめINDEX
- 基本-1 マイナンバー制度と利用目的
- 基本-2 マイナンバーと法人番号
- 基本-3 通知カードと個人番号カードの違い
- 基本-4 マイナンバーの安全性と罰則
- 基本-5 企業のマイナンバーの取扱い
- 基本-6 マイナンバーの実務、いつから?
- 基本-7 マイナンバー対応 企業が準備すべきこと
- 実務-1 マイナンバーの担当者を決める
- 実務-2 マイナンバーを扱う業務を洗い出す
- 実務-3 特定個人情報の利用範囲を決める
- 実務-4 マイナンバーの取得から廃棄まで
- 実務-5 マイナンバーの取得方法
- 実務-6 マイナンバーの本人確認の方法
- 実務-7 取得したマイナンバーの保管方法
- 実務-8 マイナンバーの利用や提供方法
- 実務-9 マイナンバーの廃棄方法
- 実務-10 マイナンバーの安全管理措置とは
- 実務-11 組織体制を整備する(組織的安全管理措置)
- 実務-12 従業員への周知徹底を図る(人的安全管理措置)
- 実務-13 情報の漏えい・盗難等防ぐ(物理的安全管理措置)
- 実務-14 社内システムのセキュリティ対策(技術的安全管理措置)
- 実務-15 外部委託を決める方法
- 実務-16 基本方針・取扱規程を作成する
- なるほど解決!マイナンバーQ&A
- マイナンバー導入チェックリスト