収益と費用の仕訳 会計・簿記の実践編−4
前節では、資産・負債・資本の勘定科目を中心に取り上げましたが、本節では費用と収益が発生する取引を見ていきます。
仕訳のルールですが、費用の発生は借方、収益の発生は貸方でしたね。
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目次
費用の仕訳をやってみよう
費用の勘定科目は、仕入、給料、通信費、旅費交通費、支払家賃、水道光熱費など、たくさんありますね。
仕入の仕訳
仕入は費用の代表格で、商品を購入したときに、これを記録するための勘定科目です。
«取引例1»
原価150,000円の商品を購入し、代金は後日支払うことにした。
- 勘定科目は、
「仕入」 と 「買掛金」 です。
代金を後日支払うので、未払となっていますが、商品代金が未払(未収)の場合は買掛金(売掛金)勘定で記録します。 - 仕入は費用ですが、買掛金は負債です。
仕入 → 費用 買掛金 → 負債 - 仕入が発生し、その代金は掛なので
費用の発生と負債の増加という組み合わせです。
水道光熱費の仕訳
電気料金、ガス使用料、水道料金はまとめて「水道光熱費」で処理します。
«取引例2»
電気料金52,000円を現金で支払った。
- 勘定科目は、
「水道光熱費」 と 「現金」 です。 - 水道光熱費は費用、現金は資産です。
水道光熱費 → 費用 現金 → 資産 - 水道光熱費という費用の発生と、現金の減少です。
費用の発生と資産の減少という組み合わせです。
費用は、「資産の減少」と「負債の増加」のどちらかと結びつきます。
収益の仕訳をやってみよう
収益の代表格は、なんといっても「売上」です。そのほかに受取利息、受取手数料、受取配当金などがありました。
«取引例3»
商品を210,000円で売上げ、代金は後日受け取ることにした。
- 勘定科目は、
「売掛金」 と 「売上」 です。
商品の売上代金が未収の場合、勘定科目は売掛金で記録します。 - 売掛金は資産ですが、売上は収益です。
売掛金 → 資産 売上 → 収益 - 掛で商品を売上げたので
資産の増加と収益の発生という組み合わせです。
収益は、ほとんどが「資産の増加」と結びつきます。
以上、
各グループの仕訳を見てきましが、仕訳をスムーズにこなすためには反復練習することに尽きます。なお、仕訳で迷ったら、「借方か貸方」のどちらか解った方を先に埋めておき、その後でもう一方を考えると答えを導きやすいといえるでしょう。
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