簿記の五大要素とは 会計・簿記の基本−5
これから簿記を学んでいくにあたって、とくに強調しておきたいことがあります。それは、「最初のカベを乗り越えれば、あとは楽になる」ということです。簿記の場合、最初に耳慣れない言葉がいろいろと出てくるので、のっけからつまずいてしまう人が多いのですが、最初の壁さえ乗り切ってしまえば、あとは面白いように学んでいけるのです。このあと、新しい言葉がたくさん出てきて、むずかしく感じられることもあるかもしれませんが、決して心配する必要はありません。あせることなくマイペースで勉強するようにしてください。
[おすすめ]法人の会計業務をかんたんに!無料で使える「弥生会計 オンライン」
目次
資産・負債・純資産(資本)・費用・収益
さて、一口に貸借対照表や損益計算書をつくるといっても、そのためには覚えておかなければならない言葉やルールがあります。それをこれから学んでいくことになるわけですが、まず、最初に覚えていただかなくてはならないのが、「資産・負債・純資産(資本)・費用・収益」という5つの言葉です。これを簿記の五大要素といいます。
このうち、資産・負債・純資産(資本)の3つは、貸借対照表をつくるのに必要な項目です。また、費用・収益の2つは、損益計算書をつくるために必要な項目です。そして、これらの5つの項目は、それぞれさらに細かく分かれます。なんだか頭のなかが混乱してきた人もいるかもしれませんね。でも心配はいりません。これから順を追って学んでいくうちに、スッキリと理解できるようになります。とりあえず、この5つの言葉だけを覚えてください。
貸借対照表はどういうイメージのものか
貸借対照表を理解するためには、資産・負債・純資産(資本)というものを知っていなければなりません。貸借対照表は、「資産・負債・純資産の3つを集めて表にしたもの」だからです。企業の財産がどのような状態なのかを明らかにするのが貸借対照表ですが、そのためには資産がどれだけあるのか、負債はどうなっているかといったことが表に示されている必要があるのです。
損益計算書はどういうイメージのものか
損益計算書は、会社が1年間、ものを売ったり買ったりという営業を行なった結果、いくらもうけたか、を明らかにするための表で、「収益」と「費用」を集めて表にしたものです。ここで収益というのは、もうけ(利益)のみなもととなるものをいいます。
たとえば、中古車を販売する企業が、ミニバンを100万円で買い入れ、それを130万円で売ったとしましょう。この商売により差し引き30万円もうけました。
このような営業を1年間行ない、いくらもうかったかを表にしたのが損益計算書なのです。
本節では、とりあえず資産・負債・純資産・収益・費用の5つの言葉を知っておいてください。次回以降、貸借対照表、損益計算書の順番で、2つの財務諸表を具体的に見ていくことにします。
知っておきたい基礎知識|会計・簿記|まとめINDEX
- 個人事業主にとっての簿記とは 会計・簿記の基本−1
- ビジネス・パーソンにとって簿記は必須 会計・簿記の基本−2
- 簿記の実際の流れ 会計・簿記の基本−3
- 会計期間について 会計・簿記の基本−4
- 簿記の五大要素とは 会計・簿記の基本−5
- 資産・負債・純資産と貸借対照表 会計・簿記の基本−6
- 貸借対照表(B/S)の作り方 会計・簿記の基本−7
- 収益・費用と損益計算書 会計・簿記の基本−8
- 損益計算書(P/L)の作り方 会計・簿記の基本−9
- 簿記の仕訳のルールを身につけよう 会計・簿記の実践編−1
- 資産の仕訳をやってみよう 会計・簿記の実践編−2
- 負債と純資産の仕訳 会計・簿記の実践編−3
- 収益と費用の仕訳 会計・簿記の実践編−4
- 決算:試算表の作成方法・作り方 会計・簿記の実践編−5
- 決算整理と試算表 会計・簿記の実践編−6