簿記の実際の流れ 会計・簿記の基本−3
商売の原点として大事な簿記。ここでは、簿記の全体像、つまり簿記のはじめから終わりまでの流れについて説明します。慣れてくると、記録すること自体に新しい発見があり、楽しいものに変わってくるかもしれません。
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目次
伝票への記入からはじめる
商売では、毎日いろいろとお金やものの出入りがありますので、それらのことがらはまず、「伝票」という小さな紙に記入しておきます。
たとえば交通費や接待費を使ったり、電卓を購入したりしたときに、それぞれ伝票に記入しておくのです。そして、伝票をもとにして帳簿に記録するのです。このようにして1年間たつと、ぼう大な量の記録になりますので、各項目を整理して1年間の総まとめ(決算)を行なう必要があります。その手はじめに、1年間の売上合計はいくらか、交通費合計はいくらか等を計算し、その結果を一覧表にして、ひと目でわかるようにまとめる作業を行ないます。
帳簿をもとに試算表をつくる
つまりは、帳簿に記入してある事柄は何ページにも及ぶので、各項目をそれぞれ集計して合計額を集めた一覧表をつくらないと、その後の計算がスムーズにいかないのです。簿記では、この一覧表のことを「試算表」といいます。
ゴールは貸借対照表と損益計算書
試算表ができると、次に各項目の中で修正する必要のある項目の修正を行ないます。この修正作業のことを「決算整理」といいます。
そして最後に、決算整理をすませたあとの試算表をもとに、「財務諸表(損益計算書・貸借対照表)」をつくって簿記の作業が終わります。
「簿記とは企業のもうけと、財産を明らかにすること」と言いましたが、実は、損益計算書はもうけを、貸借対照表は財産を明らかにするものなのです。
以上、簿記の流れをまとめると次のような手順になります。
- お金やものの出入りに関することがらを伝票に記入する
- 伝票をもとに帳簿に記録する
- 帳簿の記録をまとめて整理し、試算表をつくる
- 試算表に載っている項目で修正する必要のあるものを修正する(決算整理)
- 修正後の試算表をもとに、損益計算書と貸借対照表という2つの表(財務諸表)をつくる
このうち、
3)試算表の作成から、5)財務諸表の作成までは、1年間の終わりに行ないます。この3)~5)の作業のことを「決算」といい、決算をするときは大忙しとなります。そして決算が終わると、それにもとづいて税金の申告が行われることになるのです。
知っておきたい基礎知識|会計・簿記|まとめINDEX
- 個人事業主にとっての簿記とは 会計・簿記の基本−1
- ビジネス・パーソンにとって簿記は必須 会計・簿記の基本−2
- 簿記の実際の流れ 会計・簿記の基本−3
- 会計期間について 会計・簿記の基本−4
- 簿記の五大要素とは 会計・簿記の基本−5
- 資産・負債・純資産と貸借対照表 会計・簿記の基本−6
- 貸借対照表(B/S)の作り方 会計・簿記の基本−7
- 収益・費用と損益計算書 会計・簿記の基本−8
- 損益計算書(P/L)の作り方 会計・簿記の基本−9
- 簿記の仕訳のルールを身につけよう 会計・簿記の実践編−1
- 資産の仕訳をやってみよう 会計・簿記の実践編−2
- 負債と純資産の仕訳 会計・簿記の実践編−3
- 収益と費用の仕訳 会計・簿記の実践編−4
- 決算:試算表の作成方法・作り方 会計・簿記の実践編−5
- 決算整理と試算表 会計・簿記の実践編−6