個人事業主にとっての簿記とは 会計・簿記の基本−1
「簿記の知識を身につけたいと思って勉強をはじめたのですが、なんだかよくわからなくて…」こういう方が意外と多いようです。簿記をはじめて勉強する人にとって、大きな壁として立ちはだかるのは“簿記の用語”と“簿記の基本ルール”です。勉強を途中で断念してしまう人の多くは、最初に覚えておくべき用語とルールが不十分なままに先に進んでしまうことに起因しています。そこで本稿では、はじめての人がつまずきやすいところに重点をおいて説明を加えていきます。
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目次
そもそも簿記って何なの?
簿記を一口でいうなら、商売を営んだ結果、いくらもうけて(あるいは損して)、現金や商品などの財産がどのように変化したかを年ごとに明らかにすることです。お金の出入りをキチンと把握することは、家計においても、また国の予算においても、大切なことです。したがって、簿記は、すべての組織や個人のお金の出入りを正確に把握するための必要欠くべからざる根本技術ということができます。本稿では個人企業の簿記を中心に学習していきます。
どうして簿記は必要なのか
企業は商売を営んでいく以上、国や地方公共団体に税金を納めなければなりません。税金は、会社のもうけに対して課税されます。もうけの算定方法がどんぶり勘定だったりすると、正しい申告が行われません。そこで簿記のルールに従ってもうけを計算することが義務づけられているのです。経営者にとっても、そこで働く従業員にとっても、自分たちの経営状態を客観的な数値で正確に把握することが大切です。簿記によって作り出される損益計算書や貸借対照表を見れば、もうけや財産がひと目でわかるのです。簿記を知っていると、企業の本当の姿を知ることができるわけです。
企業の本当の姿がわかる
たとえば資金繰りが悪いという事態に直面した時に、その原因が、売上代金の回収がスムーズにいっていないからなのか、接待交際費などのムダ使いが多いからなのか、建物の新築などによる出費が影響しているのか、商品の仕入れ過ぎによる一時的な資金不足なのか、具体的に知ることができます。
簿記は企業活動の基本
設備投資をするために銀行から借金をすることがありますが、銀行から借金をするためには、綿密な資金繰り計画書等の提出が求められます。この資金繰り計画書も、簿記によって記録された資料を用いてつくることになります。ほかにも予算を組んだり、新設備や機械などの導入を検討したりする際にも簿記によって記録された資料が使われます。
知っておきたい基礎知識|会計・簿記|まとめINDEX
- 個人事業主にとっての簿記とは 会計・簿記の基本−1
- ビジネス・パーソンにとって簿記は必須 会計・簿記の基本−2
- 簿記の実際の流れ 会計・簿記の基本−3
- 会計期間について 会計・簿記の基本−4
- 簿記の五大要素とは 会計・簿記の基本−5
- 資産・負債・純資産と貸借対照表 会計・簿記の基本−6
- 貸借対照表(B/S)の作り方 会計・簿記の基本−7
- 収益・費用と損益計算書 会計・簿記の基本−8
- 損益計算書(P/L)の作り方 会計・簿記の基本−9
- 簿記の仕訳のルールを身につけよう 会計・簿記の実践編−1
- 資産の仕訳をやってみよう 会計・簿記の実践編−2
- 負債と純資産の仕訳 会計・簿記の実践編−3
- 収益と費用の仕訳 会計・簿記の実践編−4
- 決算:試算表の作成方法・作り方 会計・簿記の実践編−5
- 決算整理と試算表 会計・簿記の実践編−6