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個人事業主必見!白色申告の記帳義務化とは(メリット/デメリット)

監修者 : 宮原 裕一(税理士)

白色申告は、控除などのメリットは少ないかわりに、青色申告に比べて楽ちんなイメージのがあると思います。しかし、2014年(平成26年)分からは白色申告者にも帳簿付けが義務づけられています。

お知らせ

2022年(令和4年)分の所得税の確定申告の申告期間は、2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)です。最新版の確定申告の変更点は「2023年(2022年分)確定申告の変更点! 個人事業主と副業で注目すべきポイントとは?」を参考にしてみてください!

白色申告とは

個人事業主の所得税の確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2つの申告制度があります。「青色申告」を選択していない個人事業主が行う確定申告制度を「白色申告」といいます。

白色申告は、儲けを減らす控除などのメリットが少ないかわりに、青色申告に比べてラクなイメージがありますが、2014年(平成26年)1月以降の取引については、事業所得、不動産所得または山林所得を有するすべての白色申告者に対して、記帳と帳簿等の保存が義務付けられました。これが「白色申告の記帳義務化」です。

白色申告のメリット・デメリット

白色申告者は、2013年(平成25年)12月まで、帳簿の作成と帳簿等の保存が義務付けられていませんでした。そのため、帳簿を作らなくても確定申告をすることができました。帳簿作成の手間がかからないことが白色申告の最大のメリットでした。

ただし、2014年(平成26年)1月以降の取引からは、帳簿の作成および帳簿等の保存が義務付けられたことで、帳簿作成に青色申告者とほぼ同じだけの労力がかかるようになり、最大のメリットは無くなったといっていいでしょう。それでも、青色申告に比べて決算書のボリュームが少なく帳簿も簡易で手間がかからない、届出が必要ないなどのメリットもあります。

白色申告のデメリットは、青色申告に比べて節税につながる特典が少ないことです。例えば、青色申告のように所得から差し引く特別控除がありませんし、事業の赤字を翌年以降3年間繰越すこともできません。青色申告の特典は、所得税だけでなく、住民税や健康保険料などにも影響します。これらのメリットとデメリットを比べて、白色申告を選択するかどうか検討する必要があるでしょう。

白色申告者の帳簿

白色申告者も、1月から12月までの期間の帳簿を作成する必要があります。ただ、白色申告の帳簿はかなりシンプルな方法で記帳できるので、家計簿のようなものと思ってかまいません。また、作成した帳簿は、定められた期間、保存しておかなければなりません。

白色申告者が必ず保存する帳簿

業務にかかる取引について作成した帳簿で、法定帳簿以外のものをいいます。たとえば売掛帳や固定資産台帳などが該当します。

帳簿や書類 主な内容 保存期間
法定帳簿 収入金額や必要経費を記載したもの 7年
任意帳簿 上記以外の業務に関するもの 5年
その他の書類 請求書や領収書、納品書や棚卸表など 5年

法定帳簿とは

白色申告者が必ず保存する帳簿です。事業の売上や仕入、経費などを記載した帳簿です。白色申告者が作成する帳簿は、簡易なものでかまわないので、小売業の現金売上などは1日の合計金額をまとめて記載するだけでもよいことになっています。

任意帳簿とは

業務にかかる取引について作成した帳簿で、法定帳簿以外のものをいいます。たとえば売掛帳や固定資産台帳などが該当します。

白色申告と青色申告で作成する帳簿の違い

青色申告で65万円控除(もしくは55万円控除)を受けるには、複式簿記による帳簿を用意する必要があります。白色申告では収入金額や必要経費がきちんと記帳されているだけでかまいません。

ただし、記帳にあたっては、数字の基となっている請求書や領収書の整理も必要となってきます。それを考えると実際の手間は簡易簿記を用いる青色申告の特別控除10万円とそれほど変わりません。

 

  白色申告 青色(10万円控除) 青色(65万もしくは55万円控除)
記入方式 簡易簿記 複式簿記
必要帳簿 法定帳簿
任意帳簿
(簡易帳簿)
現金出納帳
預金出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
固定資産台帳など
(主要簿)
仕訳帳
総勘定元帳

 

(補助簿)
現金出納帳
預金出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
固定資産台帳など

決算書 収支内訳書
(損益計算書)
青色申告決算書
(損益計算書)
青色申告決算書
(損益計算書)
(貸借対照表)
※2020年分の申告より、青色申告の65万円控除の場合は、e-Taxもしくは、電子帳簿保存での申告が必要です。そうではない場合、最大55万円控除となります。

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青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告の一番の違いは、税メリットを受けられるかどうかです。青色申告は、帳簿をつける代わりに、税金が安くなる様々な特典が用意されています。

  白色申告 青色申告(最大65万円控除)
帳簿の作成義務 あり あり
帳簿等の保存義務 あり あり
所得税の青色申告承認申請書の提出 なし あり
特別控除の有無 なし 最大65万円を儲けから控除できる
家族への給料 配偶者86万円(最大)、親族50万円(最大)を儲けから控除できる 妥当な金額であれば全額経費にできる
※税務署への届出が必要
損失の繰越し 災害によるものだけ翌年以降3年間繰越しできる 事業の赤字を翌年以降3年間繰越しできる
固定資産となる金額 10万円以上 30万円以上

青色申告者になるには

青色申告をするには、事前に税務署に届け出が必要です。確定申告する時期になって、いきなり青色申告はできません。

開業日から2か月以内の届出もしくは、白色申告から青色申告に変更するためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出しなければなりません。提出が1日でも遅れると、青色申告できるのが1年先に延びるので注意しましょう。

知っておきたい基礎知識|確定申告|まとめINDEX

  1. 今さら聞けない個人事業主の確定申告とは何か?
  2. 青色申告と白色申告の違いと節税効果について
  3. 青色申告ができる条件とできない条件
  4. 青色申告時に税務署に提出する2つの書類(青色申告決算書、確定申告書B)の書き方
  5. 青色申告の年間の流れと届出書類の入手先について
  6. 個人事業主のための開業・廃業等届出書の書き方と申請
  7. 個人事業主のための青色申告承認申請書の書き方
  8. 青色申告の専従者給与とは何か?家族に支払う給料を経費扱いにする方法
  9. 従業員を雇用するときの書類の書き方
  10. 青色申告のメリットと節税効果についてのまとめ
  11. 青色申告に必要な帳簿(複式簿記)のつけ方と帳簿・領収書の保存期間
  12. 個人事業主が個人用と事業用の口座を分けたほうがいい理由
  13. 個人事業主は必見!領収書&レシートの貰い方と整理の仕方
  14. 領収書のない経費の処理方法 ~出金伝票の作り方~
  15. 青色申告に必要な勘定科目の種類と書き方
  16. 経理の基本的な流れと現金出納帳の書き方
  17. 家賃や光熱費を経費にする「家事按分」のやり方
  18. 立て替える時に覚えておきたい「事業主借」と「事業主貸」
  19. 事業用のクレジットカードを使った時の経費処理の方法
  20. 個人事業主が返済した借入金を帳簿付けする方法
  21. 個人事業主が棚卸しをする時に節税する方法
  22. 消費税の納付はどうすればいいか?簡易課税の方法
  23. 個人事業主必見!白色申告の記帳義務化とは(メリット/デメリット)
  24. 個人事業主なら覚えておきたい白色申告に必要な記帳の書き方(法定帳簿)
  25. 「所得控除」を活用して節税する方法
  26. 確定申告の期限、いつからいつまで
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