今さら聞けない!個人事業主の確定申告とは何か、やさしく解説
監修者 : 宮原 裕一(税理士)
商売を営んでいる人は「1年間でこれだけの儲けが出たので、今年の税金はこれだけ納めます」という、所得と税額を税務署に申し出なければいけません。これが確定申告です。売上や経費などを記録し、正確に申告することが義務付けられています。
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目次
個人事業主は「儲け」(所得)を自分で計算します
確定申告とは、自分で商売・事業を営んでいる「個人事業主」などが正確に税金を納めるための制度です。
会社員の場合、会社が給与から天引きして税金を納め、年末調整をするので、基本的に確定申告の必要はありません。それに対し、個人事業主は自らの儲け(所得)がいくらだったかを計算し、納めるべき「所得税」などの税額を一緒に申告する必要があります。
「 所得」とは経費を差し引いた残りの利益
商売・事業によって得られた売上「収入金額」から、その売上を上げるためにかかった仕入や人件費などの「必要経費」を引いた儲けが「所得」です。
算出した年間の所得と税額を税務署に申告します
確定申告で個人事業主が申告する税金は、「所得税」と「消費税」「復興特別所得税」の3つです。
所得税は所得に対してかかる税金です。
消費税は収入に対してかかる税金で、原則として2年前の売上が1000万円を超える個人事業主に支払い義務があります。
「住民税」、「国民健康保険税」、「個人事業税」の3つは、所得税を申告すれば、都道府県や市区町村から納付額が通知されてくるので申告の必要はありません。
個人事業主が納める税金はおもに6種類
申告時に納税する | 所得税 収入から経費を差し引いた所得に対してかかる税金で、国に納めます。税額が大きくなるので、経費や控除で所得を少なくできれば、大きな節税効果があります。 |
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消費税 2年前の売上または1年前の1〜6月(※)の売上が1,000万円を超える個人事業主は、消費税を支払う義務があります。 ※1月~6月の売上の代わりに、支払った給与の額で判定することもできます。 |
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復興特別所得税 2037年まで東日本大震災からの復興施策に使われる税金です。 |
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申告後に通知される | 住民税 申告した所得に対して課税されます。住所がある区域の都道府県・市区町村が税額を通知してきます。 |
国民健康保険料(税) 医療費の財源となる税金。所得に応じて税額が変わります。なお自治体によっては保険料(国民健康保険料)の形式をとっている場合もあります。 |
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個人事業税 事業の種類によって納める必要がある地方税。事務所や店舗がある都道府県に納めます。所得税の確定申告をすれば、申告は必要ありません。 |
- 2022年(令和4年)分の確定申告
- 所得税の確定申告
2023年(令和5年)2月16日(木)~3月15日(水)(※)が申告期限
個人事業主の消費税の確定申告
2023年(令和5年)1月4日(水)~3月31日(金)(※)が申告期限※対象期間は、2022年1月1日~12月31日まで。
※それぞれの申告期限日が、納期限(納付期限)です。
ただし、振替納税の場合は以下が納期限になります。
・所得税:2023年(令和5年)4月24日(月)
・消費税:2023年(令和5年)4月27日(木)
- 【参考】
- 国税庁:主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日
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